「できる社長」と「残念な社長」の決定的な違い セミナー後の質問、新聞の読み方……

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私が日経新聞をどのように読んでいるか、その一端をご紹介しましょう。

私は日曜日の朝刊を重要視しています。

「今週の市場」や「今週の予定」の情報をもとに、「今週の市場はどう動くか」という仮説を、自分なりに立ててみるのです。ウィークデーは、その仮説を検証しながら紙面を読み進めていきます。

ずっと定点観測のようにこれを続けていると、自分の仮説がどの程度の確率で当たるか、どういう読みが正確にできるか、ということがわかります。次第に自分なりの判断基準ができるようになり、どんどん面白くなっていきます。

専門家が書いた「コラム」や「経済教室」も楽しみです。多くの優秀な方のものの見方を学ぶことができます。また、成功された方による「私の履歴書」もとても勉強になります。

統計データを念入りに読み込む理由

もう1つの楽しみが、「景気指標」という主要な経済統計をまとめたものでした。「過去形」で書いたのは、日経新聞が掲載をやめてしまったからです。いまは会社のスタッフに同様のデータを毎月集めてもらい、じっくり念入りに読みます。

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『会社四季報』も役に立ちます。いろいろな会社の情報を読み、コメント欄の業績分析を読みます。そこから、その会社が今後どう伸びていくかという予測分析をしてみたり、最近のトレンド傾向をつかんだりすることもできます。

統計データというのは数字の羅列ですが、「こういう数字の動きの背景には何があるのか」とか「これによってどういうことが起きそうなのか」とか、統計だけではわからない社会の動きをいろいろ考えてみることができます(統計は、日経の電子版に掲載されるようになりました)。

こういった勉強をしていると、「これについて、あの専門家がどう見ているのか、話を聞いてみたい」とか「こういう方面の市場の展開はどうなのか、詳しく知りたい」とか、会いたい人、行きたい勉強会など、自分の中に課題やテーマが湧きやすくなります。

私たちを取り巻く社会環境は、日々移り変わっています。どんなに大きな会社も、世の中の流れを無視した動きはできません。変化を見据え、社会の波の中でいま何をしていくべきか、何をやめるべきか、社長は情報感度を高めていくことが必要です。

小宮 一慶 経営コンサルタント

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こみやかずよし / Kazuyoshi Komiya

小宮コンサルタンツ代表取締役CEO。大企業から中小企業まで、企業規模や業種を問わず、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、講演や新聞・雑誌の執筆、テレビ出演も行う。著書に『「なれる最高の自分」になる方法』『ビジネスマンのための「習慣力」養成講座』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『小宮一慶の「日経新聞」深読み講座』(日本経済新聞出版社)、『株式投資で勝つための指標が1冊でわかる本』(PHPビジネス新書)など。

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