「できない子」を伸ばす親に共通する1つのコツ ダメ出しでも、一方的に教えるのでもない
例えばソフトテニスの場合。ラケットの真ん中にボールが当たらない子がいたら、「真ん中に当てろ!」と叱るのではなく、「どうして真ん中に当たらないのかな?」と考えます。
ひょっとしてその子は「真ん中」の感覚がわからないのかもしれない。そう気づいたら、ガットの真ん中に穴を開けたラケットを使って練習します。ボールがその穴を素通りしたら、真ん中に当たっているというわけです。こうすれば、子どもはすぐにボールを真ん中でとらえる感覚がわかるようになります。
「できない理由を考えて、その理由を取り除く」
この指導法は、スポーツを始めたばかりの子どもでもそうですし、インターハイにいくようなトップ選手でも同じように使えます。そして、これは、勉強でもまったく同じです。
クラス全員が必ず3日で作文を書けるようになる方法
例えば、作文を書くのがどうにも苦手だという子どもは、たくさんいます。このような子どもたちをいすに縛りつけて「ほら、遠足では何があったの? 思い出して詳しく書きなさい」などと迫っても、書けるようにはなりません。
それどころか、文章を書くことへの苦手意識が増してしまい、「自分がうまく文章が書けない」とコンプレックスを抱く原因になります。人によっては、その苦手意識が受験や卒業論文、就職試験にまで影響を与えてしまうこともあります。
教えるときに大切なのは、教える側の考え方を変えることです。手取り足取り教えて、とにかく書かせようとするのではなく、最初に「できない理由は何だろう?」と、考えるのです。
作文であれば、本来は誰もが書けるようになりたいはずです。であれば、「書けない理由」を取り除いてあげればよいのではないか。私はそう思い、クラスの子どもたちを観察したことがあります。
「昨日の遠足はどうだった?」と尋ねると、彼らはわれ先に「あそこが楽しかった!」「あれが忘れられない!」などと、感想を話しはじめます。
けれども、「じゃあ、それを原稿用紙に書いてみよう」というと、しーんとなってしまいます。どうやら、ここに、「書けない理由」がありそうです。
そう! 子どもたちは「話すように書けない」から、作文が苦手になってしまうのです。
では、話すように書けるようにするためには、何を取り除いてあげればいいでしょうか。
私は、話し言葉と書き言葉の違いを考えました。そして、次の3つのことに気づいたのです。
②話し言葉では、「助詞」がアバウトであること
③話し言葉では、「語順」がランダムであること
話し言葉の特徴である、この3つを、書き言葉でもOKにしたら、子どもたちは「話すように書ける」のではないかと考えたのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら