「検索しない」「整理しない」「覚えない」発想法 インプットの労力は最小限、成果は最大限に

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質の高いアウトプットをするためにはどうやって情報を集めるのがいいのだろうか(写真:CORA/PIXTA)
優れたビジネスマンは勘で仕事するとまで言い切る、早稲田大学ビジネススクール教授の内田和成氏。ロジカルシンキングなどの左脳的な思考よりも、ひらめき、勘、ワクワク感など右脳思考を重視する。ボストン コンサルティング グループ(BCG)の元日本代表にして、「世界の有力コンサルタント25人」にも選ばれた人物の言葉は重い。
このたび上梓された内田氏の新刊『右脳思考を鍛える』に基づき、「観・感・勘」を活用したアイデアのつくり方、「検索しない」「整理しない」「覚えない」情報活用・整理の方法を解説する。

「情報の収集・整理で手一杯、活用されない」本末転倒

ビジネスの現場では、つねにいいアイデア、いい発想、いい企画が求められている。

『右脳思考を鍛える』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

求めているのは発明家やアーティスト、あるいはプランナーだけではない。どの企業も生き残り、さらなる成長のために、他社と差別化できる製品やサービス、新規事業、新しいビジネスモデルなどを、つねに追い求めている。

そうしたニーズに応えられる人材ほど、おのずと企業で評価され、あるいは自らが求めるような転職や独立を果たせる確率は高いはずだ。

では、そうした発想力、アイデア創出というものはどのように生まれ、展開されるものなのだろうか。アイデアとは、情報や知識が起こす化学反応のようなものだ。その化学反応が起こりやすいように物事を捉え、情報を頭の中に蓄え、熟成させることが重要だと私は思っている。では、どうやって情報を集めるのがよいのだろうか。

学生時代から社会人になりたての若い頃の私は、とにかく手当たり次第に情報を集めて、さまざまな情報整理術、分類法などを駆使して膨大なデータや情報を整理し、活用しようと悪戦苦闘したものだった。

B6判のカードを使った京大式カード整理法(京都大学の教授であった梅棹忠夫氏が紹介したカード式情報分類法) や、さらに一回り小さい6×4判カード、あるいはA5判サイズのリフィル式システム手帳など、話題になったものはなんであれ試して、いいものは取り入れようとした。

スキャナーを使って紙の情報を読み取って、パソコン上で一生懸命にデータベースを構築した時期もあった。テーマ別にバインダーで整理したり、膨大なファイリングに時間を費やしたこともある。

しかし、そのどれもがうまくいかなかったといっていい。長続きしなかったし、なにより成果につながらなかった。

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