「検索しない」「整理しない」「覚えない」発想法

インプットの労力は最小限、成果は最大限に

何がいちばんの問題かというと、例えばカードに記入するのに一生懸命になってしまう、あるいはスキャンしたり、テキストを打ち込んだりと、入力作業に時間をとられてしまう。それでいて、そこで蓄え、分類した情報を活用したかというと、あまり活用した記憶がない。

インプットに10の労力を使っても、アウトプットにはそのうちの1とか2しか、生かせない。その割合が悪すぎたのだ。

つまり、情報の収集と整理で手いっぱいになってしまっていて、肝心の情報の活用がほとんどできていなかった。まさに本末転倒なわけで、情報を活用したいのに、情報に翻弄されてしまっていたのだ。

労力はインプット1~2、アウトプット10が理想

それでは困るわけで、その割合をなんとか逆にしたいと考えた。つまり、インプットの労力は1か2程度で、アウトプットは10できるというのが理想の情報収集・活用術だ。

内田和成(うちだ かずなり)/東京大学工学部卒業。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストン コンサルティング グループ(BCG)入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表、2009年12月までシニア・アドバイザーを務める。2006年には「世界の有力コンサルタント25人」(アメリカ『コンサルティング・マガジン』)に選出された。2006年より早稲田大学教授。ビジネススクールで競争戦略論やリーダーシップ論を教えるほか、エグゼクティブ・プログラムでの講義や企業のリーダーシップ・トレーニングも行う。著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』『右脳思考を鍛える』(以上、東洋経済新報社)、『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』(編著)『異業種競争戦略』(以上、日本経済新聞出版社)、『スパークする思考』(角川oneテーマ21)、『プロの知的生産術』(PHPビジネス新書)などがある(提供:早稲田大学)

「どうしたらそんなことができるのか」というのが私のテーマとなった。つまり、情報活用に重点を置いて、情報の収集と整理は楽にできる、手抜きができる方法は何かと考えるようになったのだった。

その結果、自分でユニークだと思い、人にも勧めているのが「アナログにこだわる」ことなのである。

アナログにこだわるとはどういうことかというと、デジタル機器や紙媒体などを使わずに人間本来のやり方にこだわるということになる。

本能を重視するし、常日頃やってきて、自然と習い性になっている生活の知恵に頼るということになる。

人それぞれ時間も労力も限られている。そうした限られた資源を有効に活用するには、完璧主義は邪魔になるだけだ。限られた時間をどのように有効に活用するか、限られたパワーをどこに集中的に投入するか、どのように注ぎ込むか、それが大事なのだ。

ひらめき、優れたアイデアを生みたいと思ったら、アナログに情報を集める。つまり、「まずネット検索して」得た情報より1次情報、自分が直接に得た情報を重視する。

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