医者も実践「どんどん進む脳の老化」を防ぐ習慣 早い人だと40代から老化の兆候が出てくる

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注目してほしいのは、5本の指と手のひらが占めている割合の大きさです。運動野は全体の約3分の1を、感覚野は全体の約4分の1を占めています。つまり、脳は指先に多くの指令を出しているわけです。

脳は、体の各部を動かすだけでなく、体の各部からの刺激を受け、脳そのものも変化するのです。つまり、指を動かせば、脳の中の広い領域を刺激できるわけです。赤ちゃんほどではなくても、大人でも脳は活性化します。

このほかにも…

ホムンクルスをよく見ると、運動野は親指のエリアが最も大きく、ついで、人差し指です。私が脳を活性化させるうえでおすすめしている「モノをつまむとき、親指と、人差し指以外の指でつまむ」ことは、普段使われていない脳の運動・感覚野を刺激することになります。

親指と人差し指を使わずにモノをつかむのは難しいので、あえて人差し指を使わずに「親指と小指」「親指と薬指」「親指と中指」を使う運動をしてみるといいでしょう。普段あまり使わない中指、薬指、小指を使うことにより、これらの脳の領域が活性化され、より器用な運動ができるようになります。

具体的には・・・
◎スマホを『非利き手』でいじる
◎運動のテンポに合わせて、掛け声をかける
◎俳句と川柳で「連想記憶」を鍛える
◎脳科学者もやっている「ボケない食事法」
『脳が若返る15の習慣 』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

など、私がおすすめする、脳の老化を防ぎ、若返らせる習慣は、いずれも科学的な効果が認められているものだけを皆さんにお伝えしています。

ちなみに、「運動のテンポに合わせて、掛け声をかける」という習慣は、パーキンソン病患者のリハビリからヒントを得たものです。

一方、残念ながら、ちまたには現時点でまだ科学的に効果が認められていない「脳トレ」「ストレッチ」などが存在します。

それらのあいまいな情報に惑わされることなく、脳科学的なエビデンスに基づいた脳が活性化する習慣を取り入れて、脳の健康寿命を延ばしていただけたら、専門医としてうれしいかぎりです。

飛松 省三 九州大学大学院医学研究院臨床神経生理学 教授

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とびまつ しょうぞう / Shozo Tobimatsu

1973年鹿児島ラ・サール高校卒業。1979年九州大学医学部卒。1983年九州大学医学部脳研神経内科助手。1985年医学博士(九州大学)、シカゴ・ロヨラ大学医学部神経内科客員研究員。1987 年九州大学医学部脳研生理助手。1991年同脳研臨床神経生理講師。1999年同大大学院医学系研究科脳研臨床神経生理教授。2000年より現職。
ヒトの脳の不思議に興味をもち、脳波、誘発脳波、脳磁図などの最先端の脳機能計測装置で研究を行っている。脳の神経ネットワークの仕組みを解明し、病気の診断や治療、予防に役立てるために、心理学や工学分野と協力しながら脳研究を進めている。英文専門誌に研究論文が160編以上掲載されている、臨床脳波の第一人者。

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