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人気沸騰のプロ野球チケット販売に起きる進化 ダイナミックプライシングの手法は浸透するか

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  • 伊藤 歩 金融ジャーナリスト
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ソフトバンク・楽天・オリックスともに、ファンからは極端な拒絶反応は出ていないという。年俸で選手に報いる、戦力強化のための投資をする、ファンサービス充実のために設備投資を実施する。どれも球団の収入を増やさなければ実現できない。そこで、ダイナミックプライシングが有効な手段といえるだろう。

だが、NPB12球団で一斉に導入が始まるのかというと、そこまで単純ではない。導入するには楽天のように自前でシステムを構築するか、DP社のような価格算出業者とシステム連携する必要がある。だが、日本のプロ野球の場合は球団ごとにチケットシステムもチケットの販路もバラバラで、連携に必要な設備投資の範囲や設備投資額、各販路との間で必要になる調整の度合いが異なる。

チケットシステムが完全に自前なのはダイナミックプライシング導入済みの楽天と、読売新聞本社が自前のシステムを持っている巨人くらいだ。

巨人は読売新聞本社の意思次第とはいえ、高額座種の大半が年間シートとして販売されており、一般販売に回る座種も席数も極端に少ないという点では、導入効果は限定的なものになりそうだ。これは阪神タイガースにも同じことが言えるだろう。広島は、開幕前に球場での窓口販売で1シーズン分の全チケットを売り切ってしまうので現状では導入不可能だ。

ダイナミックプライシングが球団格差を拡大させる?

最も前に進む可能性があるのは、フレックスプライスを導入しているがダイナミックプライシングに踏み切っていない6球団だろう。中でも外見上、球団独自のチケットサイトに見えても、外部のプレイガイドが運営している球団だ。運営委託先のプレイガイドとDP社とのシステム連携が済んでいるCNプレイガイドやぴあに委託している球団は比較的ハードルが低い。

すでに、保守的な球団と革新的な球団の格差はチケット販売の面でも生まれている。ダイナミックプライシングは球団間の格差をさらに拡大させる販売手法になるのかもしれない。

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