わずか1年で来客数2.7倍「白馬岩岳」の再生秘話 岩岳・スキー場「絶景テラス」開業から1年
白馬エリアで最多の26のスキーコースを誇り、冬は多くのスキー客でにぎわう岩岳山頂。ハクバ マウンテンハーバーができる前は、ベンチが2つしかない何もない場所だったという。夏の白馬村には、高山植物が美しい夏山を目指し、登山客が多く訪れる。「ただ、中高年がほとんどで、幅広い年齢層を呼び込める観光の目玉がなかった」(白馬村観光課)。
若者がSNSで発信!
ハクバ マウンテンハーバーやアスレチック施設ができたことで、若者がSNSで発信し、客層が広がったという。
さらに今年7月、新たな観光スポットになったのが、標高1400mの白馬八方尾根うさぎ平のサウナ施設「白馬マウンテンビーチ」。
最近のサウナブームに注目し、スチームサウナや北欧発のロウリュウサウナなど本格的な温浴施設を置いた。担当者は「外国人観光客にも十分に満足してもらえる設備」と自信をのぞかせる。展望テラスがあるマウンテンハーバーと、マウンテンビーチ、そして「白馬つがいけWOW!」がある3つのスキー場は、車で15分程度で行き来できる。
この3施設は、グリーンシーズンにどのぐらいの観光客を呼び込めているのか。2017年7月期(前年8~11月、同年5~7月の7カ月間)で、白馬観光開発が運営に携わる3つのスキー場(白馬岩岳、栂池高原、白馬八方尾根)を合わせた観光客数は20万1000人だった。それが2020年7月期(同上)は31万9000人と2017年の約1.6倍に達する見通しだ。
白馬岩岳エリアだけで見ると、マウンテンハーバーができる前の2018年7月期(同上)は3万4000人だった観光客数が、2019年7月期は9万1000人、2020年7月期には冬季の来場者数を超える13万人を想定する。
白馬観光開発が手がける施設には、ある共通点がある。2017年の社長就任後、次々と観光の目玉を作ってきた和田寛社長は「ほかと同じことをやろうとすると埋没してしまう。“日本一”や“日本初”にこだわりたい」と語る。これまで人が訪れず、眠っていた場所を掘り起こし、そこにブランド力がある外部の企業や個人の力を借り、洗練された空間を作り出す。これが白馬観光開発の戦略だという。
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