生活多様性保全へ企業がなすべきこと、自然は重要なステークホルダー

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 自然に優しいヤシノミ洗剤を主力とするサラヤ。この自然派企業もかつて“不覚”を取った経験がある。洗剤の主要原料であるパーム油の生産はマレーシアとインドネシアで9割近くを占める。オーガニック食品の普及でパーム油の需要が急拡大し、両国での熱帯雨林の伐採が大規模に行われた。ところがそこはボルネオゾウの生息地だったため、住みかを失ったゾウが農地を荒らすなど現地では社会問題化していたのだ。

テレビのドキュメント番組でこれを知った更家悠介社長は「商社から油を買っていたので、現地のことまで気が届かなかった。不覚だった」と、すぐさま「持続可能なパーム油のための円卓会議」に参加。その後NPOなどと協同でボルネオ保全トラストを設立、ヤシノミ洗剤の売り上げの1%を同基金に寄付するなど支援活動を続けている。

また、消費者が参加する「ボルネオ調査隊」など「企業が一方通行で情報発信するのではなく、消費者との情報・行動の共有化」(更家社長)を主眼に置いた活動を心掛けているという。

温暖化の次に来る危機

「生物多様性」というネーミングがわかりにくいのかもしれない。内閣府の調査では、84%の人が「聞いたこともない」と答えている。

これは希少生物種の保護だけでなく、生態系全般の多様性を保全することが人間生活、経済社会のためにも不可欠であるとの問題意識だ。国連によれば、過去100年で確認された鳥類、哺乳類、両生類の絶滅は約100種に上り、過去の地球における絶滅速度の50~500倍という。これが人為活動によってもたらされているというのが定説となり、「温暖化の次に来る危機」とされる。1993年に生物多様性条約が発効、190カ国とECが締結している。

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