2位は大和ハウス工業で3288人。同社は半日単位のボランティア休暇取得が可能だ。さらに1年間最大20日、通算100日間の失効年次有給休暇の積立制度をボランティア活動として利用できる。長期のボランティア休職も可能だ。
3位は日本電信電話(NTT)で2905人。全国各地での地域の祭りやイベント、野球・サッカー・ラグビーなどのスポーツイベントへのボランティア派遣なども行っている。
4位はイオンで1544人。ボランティアの活動費がほぼ全額支給されるボランティア派遣制度もある。2017年度は211人が同制度を利用し、東北復興支援ボランティアに参加した。西日本豪雨でも企業としての支援物資提供や募金活動に加え、従業員の現地へのボランティア派遣も行っている。
以下、5位三菱電機(802人)、6位コメリ726人、7位ヤフー(現:Zホールディングス)480人、8位ジャパンディスプレイ446人、9位日本水産400人、10位帝人304人と続く。
ボランティア休暇制度の導入企業は少数派
利用者100人以上は22位パナソニックの112人まで。10人以上は87位の石油資源開発、キリンホールディングス、太平洋セメントなど5社(10人)までと上位100社でも利用者数は必ずしも多くなかった。
利用者数を回答している359社のうち利用者が0人だったのは174社で全体の48.5%を占める。ボランティア休暇制度自体は426社が導入している(『CSR企業総覧(ESG編)』2019年版掲載)が、まだ一般的な制度ではないことがうかがえる。
現状では、ボランティアはあくまで無償の奉仕で、企業活動とは関係ないと考える人も多そうだ。だが、最近注目されているSDGs(国連で採択された持続可能な開発目標)などの動きを見ていると、海外を含めた多くの社会課題を解決するために、大手企業を中心に多くの取り組みが期待されていることは明らかだ。
SDGsで掲げられている目標は現在の企業のビジネスとして展開できるものばかりではない。むしろこれまで社会貢献として行われてきた内容も少なくない。ただ、こうした中から将来、ビジネスにつながる可能性もありそうだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら