開始10年「裁判員制度」から見えてきた"光と影"

3分の2の人が裁判員を辞退する理由

参加する意義やメリットがよくわからなければ、「わからないものは、やりたくない」のは本心だろう。

「それがあるうちは、裁判員制度は本当の意味での広がりを見せません。どうすればいいか? いい情報も悪い情報も、どちらも正しく伝えられるのは唯一、経験者だけです」(花田弁護士)

裁判員制度がより広く深く伝わることが今後の目標

裁判員制度が、国民により広く深く伝わることは裁判官も目標とするところ。

参加すること自体に意味があるということが、もっと広まるといいですね。そのために私たちも“裁判体”で工夫しながら、努力を続けながら運用していきたいと思っています。制度全体を通じての大きな目的の1つは、国民のみなさんに司法に対する理解を深めてもらったり、あるいは司法の信頼を上げるということですから」(小森田判事)

「“この前、裁判員を実はやったのよ”みたいな話が気軽にできるようになったらいいですね。経験者が今後どんどん増えれば、事件に対して一方的な見方だけではなくて、いろいろな見方ができるようになったりするんじゃないかな、そういう可能性を持ってる制度なんじゃないかな、と思っています」(村田判事)

制度開始から10年。だが、まだ10年でもある。

「暴力団関係者の“声かけ”事件が起きたり、証拠写真を見てPTSDになったり、というマイナスは確かにあった。でも、それらはマイナスだったけれども、次のステップへの課題ともいえる。裁判員制度全体で考えたとき、それがいま認識できたことは、決して悪いことではなかったと思います。人間の10歳なら回り道や間違いがあるもの。これからみんなで育てていかなければ」(四宮教授)

そして、こう言葉をつなぐ。

「いまの裁判官や法律家たちは、法律家になったときから裁判員裁判が当たり前。それは制度開始以降に生まれた一般の人たちもそうです。最初からあったかどうか、というのは意識のうえで大きな違いがありますから。その人たちが、よりよいものにしていってくれたら。そのためにも経験者の声を、もっと共有できるといいですね」

本当の成果は、これからの10年にかかっている。

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