LED照明の次世代戦争、4000円電球が火ぶた切る、新参シャープに東芝・パナが反撃
もちろん、現在の価格と性能を考えると、すべての白熱電球がすぐにLED電球に置き換わるとは考えにくい。LED電球と比べることで、電球形蛍光灯の評価が逆に上がる可能性もある。が、予想以上の速い動きに、もはやパナソニック、東芝もLED電球に本気だ。
パナソニックは、一般電球より小形のミニクリプトン電球代替用にE17口金用LED電球を業界で初めて投入する。それは「今年発売するはずではなかった製品」(パナソニック・伊藤好生ライティング社社長)だ。東芝も10月に、従来よりも明るさを増したLED電球を発売するなど、ラインナップを拡充する。
彼らを主導権奪回に駆り立てるのは「一度、口金を奪われたらおしまい」(東芝ライテック・堀取締役)という恐怖感である。寿命4万時間のLED電球は24時間つけっぱなしで4年以上もつ。通常の使い方なら交換は10年以上やってこない。
さらに、“照明大手vs.シャープ”は序盤戦の構図でしかない。LEDが主流となった日、市場の顔ぶれががらりと変わる可能性さえある。
「光源が半導体のLEDになるということは、パソコンなどと同様に水平分業型ビジネスモデルになるということ」とパナソニックの伊藤氏は喝破する。
白熱電球や蛍光灯は、蛍光体の調合やガラス管の加工に職人的なノウハウや大型設備が必要で、新規参入は困難だった。LEDは素子やパッケージを調達できれば、異業種でも比較的容易に参入できる。