LED照明の次世代戦争、4000円電球が火ぶた切る、新参シャープに東芝・パナが反撃
「正直、LEDの本格的な普及はもう少し先と考えていた。ここまで盛り上がるとは喜び半分、戸惑い半分」と話すのは、同社の堀正男取締役LED部長。実は東芝ライテックの当初の計画では、「4000円」の実現はもう少し先だった。
それを変えさせたのはシャープだ。
6月、シャープが4000円程度でLED電球を7月に発売すると発表。前年にLEDで照明事業に参入したばかりのシャープは、「100円の白熱電球の40倍もつので、最初から4000円をターゲットに開発した」(桃井恒浩・シャープLED照明事業推進センター副所長)。
反響はすさまじく、予想を大きく上回る店舗数が取り扱いを希望。展示用什器の追加や十分な数量を用意するために、発売を半月遅らせた。8月は標準タイプのみに絞り、同時投入予定だった調光タイプなどは9月末に延期したほどだ。
発表前にシャープの価格をつかんだ東芝ライテックは、急きょ開発人員を増強して低コスト化を前倒し。先回りして値段を引き下げた。両者の攻防をメディアが盛り上げた。省エネブームに乗りたい量販店はLED電球コーナーを開設。9月には三菱電機オスラム、NECライティングが参戦、電球最大手のパナソニックは10月、日立ライティングも11月の発売を表明している。年末商戦には、シャープと照明大手5社(パナ、東芝、三菱、日立、NEC)が出そろい火花を散らす。
ポスト白熱電球で誤算 勢力図一変の可能性も
これまでのところ、市場をリードしているのは、業界標準価格を“決めた”シャープだ。