LED照明の次世代戦争、4000円電球が火ぶた切る、新参シャープに東芝・パナが反撃 

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今後避けられないビジネスモデルの転換

シャープのほかにも、電子部品のロームは自前のLED素子でダウンライトやLED電球へ参入。高機能LEDを開発する三菱化学は10年に自社ブランドで国内外への展開も計画する。まったくの異業種からは大和ハウス工業が参入。大企業以外でもリサイクルトナーのエコリカ、伊藤忠商事が出資するベンチャーのモモ・アライアンス、架線金物メーカーの東神電気などが、続々とLED照明市場へ参戦している。

世界的に見ると、組み立て型デジタル家電で垂直型プレーヤーの旗色は悪い。既存の照明大手はどう対抗するか。LEDを外部調達し、海外で委託生産する日立ライティングは「放熱設計などの技術力と販路で勝負する」(マーケティング部)と言う。現状、他社からLEDを調達しているパナソニックや東芝は自社でのLED量産も検討している。

いずれLEDが普及すると、別の問題も生じる。これまで照明ビジネスは交換需要で稼いできた。しかしLEDは交換需要は激減させる。経営の観点からすれば生死にかかわる問題だ。一気には置き換わらないからそれは杞憂、と楽観的な見方もある一方、「まだLED照明のビジネスモデルを描けていない。とんでもないものを出してしまった、という人も社内にいる」(照明大手幹部)と焦りの声も聞かれる。

新しいビジネスモデルの確立は不可避だろう。パナソニック電工は法人向けに、蛍光灯や白熱電球を販売するのではなく、貸与し使用料を得る事業を展開している。現在は廃棄物処理の責任を回避できる点を訴求しているが、導入コストの高いLEDでも、こうした使用料モデルの「あかりEサポート」を開始した。

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