台風19号で経済活動に生じた影響に見た「教訓」

物流、働き方、サプライチェーンなど多方面に

濁流にのまれた長野県内のセブン-イレブン(写真:ロイター/アフロ)

東日本の各地に記録的な大雨をもたらし、さまざまな災害を引き起こした台風19号は、経済活動にも大きな影響を与えた。

セブン-イレブン・ジャパンのホームページにある物流システムの説明によれば、コンビニエンスストアは販売維持のために、1日に9回もの配送を受けている。発注・販売データや在庫情報をメーカーと共有し、これをもとに需要のピークにあわせて商品を計画的に生産している。ここから、商品ごとの味や品質を維持するため最適な温度帯に分けて共同配送センターに納品し、各店舗に一括で配送する。弁当やおにぎり、パンなどのほか、サラダ、総菜、牛乳、アイス、ソフトドリンク、雑誌などが運ばれる。

つまり、心臓が押し出す血液とおなじく、日本の物流は絶え間なく循環し続けることが前提で、その断絶はつまり企業活動の停止につながる。首の皮一枚でつながっており、そのもろさは、日常であれば露呈することはない。

便利の裏側には多くの人たちの努力がある

ただ、災害が起これば、そのもろさが表れる。日常であれば自分がほしいものを、自分がほしいときに手に入れるのは当然の気がする。しかし、それは多くのひとたちの努力の結晶にほかならない。とくにコンビニなどは24時間営業をやめられないのは、1日に9回もの配送を受け止めるために、どうしても深夜営業を続けねばならないという側面もある。

今回、日本に上陸した台風19号は、日本の物流網を止めた。セブン-イレブンは4000店ほどが休業を選択した。ローソン、ファミリーマートもそれぞれ2000店以上が休業した。近年のなかで、もっとも大規模な一斉休業となった。

ほとんどの報道番組は、上陸の前から1週間をかけて、台風19号の猛威を報じた。これまで史上最悪の台風といった紹介で、関東への上陸と、その影響を述べた。戦後、ほとんど類を見ない台風。規模が大きく、さらに、速度も遅いため甚大な被害予想が報じられた。

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