荒川、台風19号通過前後の「激流」に感じた恐怖 最悪の事態こそ免れたが今後も油断は大敵だ

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竹村氏は2016年6月のインタビューでこうも言及している。

「現在の治水の原則は堤防を強化するとともに、水位を下げること。荒川放水路は現在の隅田川の水位を下げるための装置だし、ダムや川幅の改修も増水の際に水位を下げるのが目的。つまり堤防を信用してはならない。いつか壊れる、という発想だ。
壊れないといえば嘘になる。こんなことを露骨に言えるのは十数年前に退官したから。現役の河川局長が国会で『堤防なんか信用しちゃいけない』なんて言ったら『ふざけんじゃない』となっちゃう。
でも、現役の人々がやっていることを否定するわけではない。みな内心では堤防が危ないと思っているから補強したり、水位を下げるためダムや貯水池を作っている。仕事を創り出したいからやってるのではない。江戸時代に99.9%作られた堤防を引き継いだから、補強しようとしているのだ」

「数十年に一度」の大雨が頻発

気象庁は今回の台風接近に伴って、「数十年に一度」の大雨が降り、災害の危険性が高まったときに出す大雨特別警報を一時は首都圏全域を中心として広範囲に発令した。ただ、地球温暖化に伴ってなのかは明確に言えないが、かつては考えられなかったような異常気象が頻繁に起きるようになっている。「数十年に一度」はこの数年だけでも何度聞いたフレーズだろうか。

国土交通省荒川下流河川事務所のホームページには、これまでに経験のない集中豪雨によって、仮に荒川の堤防が決壊した時にどうなるのかのフィクションドキュメンタリー動画「荒川氾濫」が紹介されており、YouTubeで一部を閲覧できる。見た感想としてはこんなことになってほしくはないが、流域の住民であれば、いつか来るかもしれない事態を想定しておくことは必要だろう。

そして、同ホームページには「今後も首都東京を堤防で守るため、堤防強化対策や高規格堤防の整備によって水害を未然に防ぎます。あわせて、首都東京でも発生が予想される大地震に備え、荒川放水路では、堤防や河川構造物の耐震化を行っています」という記載もある。

河川工事やダムの建設について否定的な意見が見られることがある。中には本当に無駄なものもあるかもしれないのでプロジェクトごとに精査する必要はあるだろう。しかし、今回のような事態を目の当たりにしたときに時間も手間も費用もかかり、万が一に備えるという治水の重要性について事実関係をちゃんと調べずに、感情論で頭ごなしから否定するのは合理的と言えない。

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