いまだに「紙とはんこ」を使い続ける会社の特徴 ほとんどの書類はデジタル化可能なのに
「すべての部署を統括するプロジェクトリーダーがいることも」重要です。デジタル化は、経営、総務、法務など、さまざまな部署をまたがります。横断的なプロジェクトに昇華させ、周りの人々を巻き込めるリーダーの存在は不可欠です。
また、導入に際しては「具体的なプラン」がなければいけません。すべての領域でデジタル化を一気に進めることはほぼ不可能なので、まず「この文書から」「この部署から」など、導入に際しては優先順位をつけることが必要です。
議事録のデジタル化ならハードルが低い?
最初にデジタル化をする領域の選定は、皆さんご苦労されていますが、「いちばん手間やコストがかかっているから〇〇の部署から」だったり、逆に、手間やコストの削減の効果はそれほど期待できないものの、全社へのデジタル化の展開をスムーズに進めるため、「比較的若い社員で構成されているから〇〇支社から」など、まちまちです。
先日、導入の検討を始めた企業はさらに面白い進め方でした。経営層が高齢で、ITリテラシーもそれほど高い会社ではありませんが、まずは自分たちから取り組む姿勢を全社に示したい、との考えで取締役会議事録のデジタル化から着手することを決めました。
ある種、ほかの業務フローやシステムとの関連性もそれほど高くない議事録のデジタル化は最初に取り組む領域としてはアリかもしれません。経営者層もデジタル化を体験してみて「それほど難しいことでもないな」という自信にもつながります。
そして最後に「社内外のリソースを使い分ける」必要があります。デジタル化はさまざまな法律が関係しているほか、技術的にも電子署名やタイムスタンプなど特殊な分野でもあります。ですので、「餅屋は餅屋」と割り切り、外部の専門家に任せることもデジタル化に成功している企業の条件となります。
デジタル化はすべての企業にとって、今後ますます避けては通れない分野となります。一歩、いや半歩進んでデジタル化に着手し、きたるべき時期に備えることが重要です。さまざまな法規制の緩和状況、メガバンクの電子契約基盤の整備状況など聞こえてくる情報を鑑みると、デジタル化の波は予想以上に早くやってくるのではないでしょうか。
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