いまだに「紙とはんこ」を使い続ける会社の特徴

ほとんどの書類はデジタル化可能なのに

このとおり、紙文書の保存を義務付けている法規制が日本には約300ありますが、規制緩和の流れの中、9割近くが紙に代えてPDFなどのデジタル形式による保存が可能となっています。にもかかわらず、多くの企業がデジタル化に踏み切っていないのが現状です。

私自身、この3年間、デジタル化を日本に根付かせるべく、ビジネス文書のデジタル保存に要求される法的要件を実装し、社内外でやり取りできるプラットフォームを開発・販売しています。その過程で多くの企業のトップや現場の方々と意見交換していますが、デジタル化に踏み込めない企業は大きく3パターンに分類できます。

「既存の仕組みを変えたくない」という怠慢

① 企業トップがデジタル化に無関心または否定的

これは、高齢の経営者に多いようです。ITリテラシーの低さであったり、デジタル化により享受できる効率性のイメージが欠如していたり、さらには「自分が役員の間は新しい変革は面倒」「既存の仕組みを変えたくない」との拒否反応を感じることがあります。新しいチャレンジには失敗もあるでしょう。しかし、それを乗り越えることが次のステージへの絶対条件なのです。とはいえ、世代交代を待つしかないのでしょうか?

② 企業トップはデジタル化を推進させたいが現場が否定的

これには、いくつか理由があります。1つは、新しい知識や操作を覚えることへの抵抗感。とにかく既存の業務を変えたくないという理由です。2つ目が、効率化が促進され、人員が不要になることへの抵抗感。これは経営トップ層が明確なビジョンや想いを示しリーダーシップを発揮すべきところです。今後は少子高齢化で人手不足になることは明白なことだからです。そして、もう1つが、知識不足によるもの。「この文書、デジタル化はできないと思っていた」「電子契約だと印紙税がかからないの?」といったものです。

③ 他社の動向を気にする、受け身の企業体質

これも日本では多くみられる現象ではないでしょうか。「周りの会社もまだ紙だから」の理屈付けです。確かに請求書や契約書など、企業間でやり取りするビジネス文書は相手がデジタルでの方法で同意することが必要です。しかし、企業内やグループ会社間の文書は他社の同意なく進められることです。できるところから着手すべきです。

一方、うまくデジタル化に移行している会社にもいくつか特徴があります。まずは、「トップのお墨付きがある」こと。デジタル化移行は経営者の明確な意思が必須。「ペーパーレス化は世の中の流れだからなんとなく」では、早期実行は難しいのです。

「デジタル化の目的が明確で、全社で共有されている」必要もあります。会社のどの領域の手間やコストを削減していきたいのか、紙で眠っているどんなデータをデジタル化して有効活用していくのかなど、デジタル化をして何を手に入れるか全社で共有する必要があります。

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