ぐっちーさんは「リーマンショック」を予言した

当時と同じように今は皆が高をくくっている

かくしてウォール街は、高利回りで格付けの高いCDO(債務担保証券)という商品を売りまくった。買った人たちは、お気の毒ながら中身のことなどよく理解していなかった。欧州の年金基金などが、カモにされていたと言われている。

貸してはいけない人たちに貸した住宅ローンが、高利回りで安全な金融商品に化けてしまう。こんなうまい話が持続不能であることは、今なら自明のことに思われるだろう。しかし物事がうまく回っている間は、誰も不思議だとは思わない。疑問を呈する人が居たら、「分かってないなあ」とたしなめられたことだろう。

つくづくCDOとは、ウォール街の強欲と奸智と無責任を煮詰めたような金融商品であった。やがて全世界が「サブプライム問題」で大揺れになり、大量の債券が格下げになり、CDOの値段がつかなくなって行く。

問題の長期化も早くから予言していた

ぐっちーさんは教えてくれたものだ。

「この問題のキモはクレジットなんだよ。投資家は自分が買った商品の中身がわかっていない。知らないうちに、サブプライム商品を持たされていることだってある。そのうち、誰が貧乏くじを引かされたかさえわからなくなる。この問題は長引くよ」

どうしてそこまで分かるのか?と筆者が尋ねたら、ぐっちーさんはこともなげにこう言ったものだ。「だって俺、実際に外資系金融機関でCDOを売ってたもん」と。でもねえ、あんまりあくどい商売だったから、嫌気が差して辞めちゃったんだけどね。

金融市場の迷走は続いた。そして翌2008年9月には、リーマン・ブラザーズ証券会社が経営破綻に至る。世界経済はメルトダウンの淵に沈むのだが、その発端は今からひと回り前の亥年、2007年のサブプライム問題にあったわけだ。

それから幾星霜。今ではアメリカ経済もすっかり立ち直り、10年にわたる景気拡大期間が続いている。正確に言えば、この間、2012年と2016年は「ミニリセッション」に近い調整期間があった。今年もそれに近い状態になっているので、たぶんこの後はまた米連銀の利下げとともにゆるゆると再浮上するのだろう。

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