ぐっちーさんは「リーマンショック」を予言した

当時と同じように今は皆が高をくくっている

とりあえず今回はぐっちーさんの思い出話から始めて、前号の山崎さんの話の続きをしてみたいと思う。つまり、アメリカ経済の行方と債券バブルの可能性についてである。古い友人を失った今、少し昔話をしてみたい気分なのだ。

ぐっちーさんの名を巷間に知らしめたのは、2007年夏のサブプライム問題を予言したことであったと思う。今では、「えっ、それ何のこと?」という若い世代も少なくないことだろうが、翌年9月のリーマンショックへの導火線となった事件である。

当時のアメリカは住宅バブルが拡大して、返済能力がない人にまでローンを組ませて住宅を売るビジネスが隆盛を極めていた。頭金がゼロだとか、金利は途中から上がるとか、借り手の収入をごまかすくらいは当たり前。そんな住宅ローンのことを「サブプライムローン」と呼んでいた。今なら誰でも「そりゃマズイよ」と気がつくだろう。

ウォール街が売りまくったCDOの本質とは?

ところがその頃は、「何、どうせ買った時よりも高値で売れるんだから」と皆が浮かれていたのである。問題が表面化した当初、専門家は総じて楽観的であった。「移民の急増により、住宅需要は底堅い」「住宅ローン全体に占めるサブプライムの比率は10%程度」「金融機関の破綻があっても、他の健全な銀行が買収して立て直してくれるだろう」といった声が多かった。

そんな中で、早い時期から警鐘を鳴らしていたのがぐっちーさんのブログ「債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」 であった。2009年から始まる現在の「グッチーポスト」 の前身ブログである。最近のぐっちーさんのアメリカ経済強気論に慣れている読者が読んだら、この時期の悲観的なトーンに驚くかもしれない。

2007年2月22日のエントリー、「アメリカが抱える爆弾とは?」 では、サブプライムローンの延滞率が上昇している、というデータに注意を喚起している。そして明らかに市場が変調をきたし始めた同7月23日には、「モーゲージ市場のおさらい」 で住宅担保証券のカラクリを教えてくれている。いや、読んでるとどんどん往時の雰囲気を思いだしますな。

サブプライムローンは当然のことながら高利回りであったから、他の金融商品と組み合わせると絶好の「隠し味」になった。そして多くのローンをまとめてパッケージにすれば、すべてのリスクが同時に実現する確率は低いとみなすことができる。従って「これは安全な金融商品ですね」ということになり、高い格付けを得ることができた。

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