小泉進次郎「民間の立場でも政策は動かせる」 やらなければならないところには情熱がある

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『日本の「代案」を探求する――政策コミュニティーとパブリック・キャリア』と題するシンポジウム開催の様子。左から船橋洋一氏、小林史明氏、須賀千鶴氏、鈴木寛氏、藤沢烈氏(撮影:今井康一)

最後に、政治家と政治家の出会いが政策を動かした事例も紹介します。多くの人は、政治家は政策を官僚に丸投げしているという印象を持っているかもしれませんが、そんな政治家ばかりではありません。熱い政治家が出会ったときにも、政策は動きます。

「ちょっと待った」の一声を上げる勇気

今日は、私の盟友の小林史明・衆院議員も来ておられます。小林さんと私がいろんな政策で連携するきっかけとなったのは、自民党の政調会での彼の発言でした。当時、官邸は、年金受給者に一律3万円を配るという政策を進めようとしていました。

そのときに、小林さんが声を上げたんです。「ちょっと待ってください。人口減少社会の中で、子育て支援に原資を振り向けるべきだという議論をしているときに、なぜ、高齢者に3万円も配るんですか」――。予算は4000億円でした。財務省は「お金はありません」と繰り返してきたのに、そういうときには出てくるんです。おかしいでしょ。

けれど、「仕方ないよね」と惰性で流されることが、政治や行政にはあります。私も、官邸の政策を追認するだけの場だと思って会議に参加していました。ところが、壇上に党の重鎮が居並ぶ中で、小林さんが1人、声を上げて戦っていました。彼を見捨てちゃいけない。彼の情熱に突き動かされて、私も声を上げました。すると、次々と若手が声を上げ始めました。

続きがあります。自民党の会議というのは、言いたいことを好きなだけ言わせた後で、「皆さんの意見はもっともです。受け止めました。ということで了承でいいですか」と座長が議論を引き取って終わります。それが普通です。

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