小泉進次郎はなぜ「初入閣」を受け入れたのか 影をひそめる「アベ友」満載人事への批判
第4次安倍再改造内閣が9月11日午後に発足した。
麻生太郎副総理ら、いわゆる政権の3本柱と岸田文雄政調会長を続投させて「安定」を維持する一方、麻生氏と菅義偉官房長官以外の17閣僚を総入れ替えし、国民的人気者の小泉進次郎氏を環境相で初入閣させ、令和新時代の政治の再出発に向けた「挑戦」をアピールした。
「安倍政治の完結」目指すしたたかな安倍流人事
新内閣では、岸田、菅両氏や小泉氏ら、ポスト安倍候補に名前の挙がる6人を党・内閣の要職に配した。一方、石破茂元幹事長を蚊帳の外に置き、後継レースでの「石破潰し」にも腐心した。多くの新人閣僚や再入閣組には「アベ友」と呼ばれる側近グループを登用した点などは、「まさに安倍流のしたたかな人事」(細田派幹部)と受けとめられている。
今年11月下旬に史上最長政権という「大宰相の勲章」(自民長老)を手にする首相にとって、今回の人事は総裁任期が切れる2021年9月をにらみ、「安倍政治の完結を目指す」(側近)ための新体制づくりだ。
ただ、日本経済再生を目指すアベノミクスは道半ばで、悲願とする憲法改正実現への道筋もなお不透明だ。さらに、「日韓対立や日ロ交渉の停滞など外交も八方ふさがり」(首相経験者)なのが実態だ。このため、新体制でも安倍政権の「レガシー(政治的遺産)づくり」も難航必至で、「結果的に、東京五輪開催と令和改元という政治的記念碑にとどまる」(同)との見方も広がる。
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