小泉進次郎はなぜ「初入閣」を受け入れたのか 影をひそめる「アベ友」満載人事への批判

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その一方、男性としては戦後の閣僚の最年少記録を塗り替えた小泉氏の立場は複雑だ。これまで、政権批判も辞さない歯に衣を着せぬ発言で将来の首相候補としての存在感をアピールしてきただけに、「安倍1強の軍門に下ることによるイメージダウンへの不安」(小泉氏周囲)も拭えない。この点についても小泉氏は、インタビューで苦笑しながら「(入閣の受諾は)理屈じゃない、自然と体が出た」とかわした。

もちろん、閣僚になって公式の立場で政治家としての経験を積むことで、「首相への道が拓けるメリット」(同)はあるが、起用された環境相は原発問題や混乱するパリ協定への対応など難題が多く、小泉氏にとっても厳しい試練の場となる。

「アベ友」満載、反発必至の閣僚人事

父親の小泉純一郎元首相は福島原発事故が起きて以降、「原発ゼロ」を訴え続けている。その息子の小泉氏が閣僚として原発問題にどう対応するかは、首相候補としての真価も問われることになる。

原田義昭前環境相は、退任直前の記者会見で福島原発の放射能汚染水処理について、「所管外ではあるが、思い切って海に放出して希釈するほかに選択肢はない」と発言し、内外からの批判を浴びた。この汚染水問題は小泉氏の就任当初の難題となる。先のインタビューで小泉氏は「まず、所管の経済産業省でしっかり議論していただきたい」としながらも、「地元の皆さんの気持ちをこれ以上傷つけないような結論を」と表情を曇らせた。

こうしたやりとりからみても、今回の環境相としての入閣は「小泉氏にとってメリット・デメリットが半々」(自民長老)とされ、政界では「安倍流の意地悪な人事」(同)との見方も広がる。

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