小泉進次郎はなぜ「初入閣」を受け入れたのか

影をひそめる「アベ友」満載人事への批判

7月の参院選に勝利し、過去に例のない国政選挙6連勝を果たした安倍首相は、8月後半の首脳外交の前後から人事工作を本格化させた。新人事を「安定と挑戦」と位置づける安倍首相はまず、内閣の大黒柱の麻生、菅両氏の留任を決めた。自民党ナンバー2として辣腕を振るう二階俊博幹事長については「副総裁格上げなどによる『二階外し』を模索した」(自民幹部)とされる。

しかし、二階氏周辺から「選挙に勝った幹事長を外せば、政権基盤が揺らぐ」との反発の声が噴出。9月3日の安倍首相と二階氏との短時間の直談判の結果、二階氏再任が決まった。安倍首相は岸田氏の幹事長昇格も視野に入れていたとされるが、同氏の政調会長再任も決めたことで、結果的に「3本柱+岸田」という政権の骨格が維持された。

「挑戦」を象徴する小泉氏の起用

そうした中、安倍首相が最大の課題とした「挑戦」を象徴する人事が小泉氏の初入閣だった。これまでの人事でも首相サイドは小泉氏入閣の可能性を探ったが、前2回の総裁選で小泉氏が安倍首相のライバルの石破氏に投票したこともあり、小泉氏の意思もあって見送られてきた。

ただ、今年8月に滝川クリステルさんとの結婚を菅氏と安倍首相に真っ先に報告し、例のない官邸での結婚発表をしたことで、「小泉氏が官邸寄りに変身した」(自民幹部)との見方が広がった。

年明けとされる滝川さんの出産を控え、小泉氏は「イクメン議員」としての育児休暇取得の可能性も示唆したため、党内では今回人事でも初入閣見送り説が支配的だったが、人事の最終段階となった9日に安倍首相が電話で小泉氏の環境相としての入閣を正式に要請、小泉氏も快諾した。小泉氏は11日午後の新閣僚呼び込み後のインタビューに「ありがたい機会をいただいたと(安倍首相に)感謝している」と笑顔で語った。

今回の首相の小泉氏起用はさまざまな政治的要因が背景にある。まず、首相にとって、小泉氏抜きの人事となれば「目玉もなく、政権浮揚も期待できない」(側近)。しかし、小泉氏が入閣すれば、「内閣支持率も5ポイント程度の上昇が見込める」(世論調査専門家)。

さらに、各種世論調査での「次の首相候補」番付でつねにトップを独走している小泉氏を閣僚にして、ポスト安倍レースの有力候補と位置づけて候補者同士を競わせることで、安倍首相は退陣後のキングメーカーの地位も固めることができる。

後継レースで「反安倍」の立場を鮮明にする石破氏の当選を阻止するためにも、石破氏支持だった小泉氏を取り込むことで、「石破包囲網を強化する狙い」(自民幹部)もある。さらに、今回の人事で政権浮揚に成功すれば、「年末も含めた早期解散の手がかりもつかめるなど、首相にとってはメリットだらけ」(閣僚経験者)との見方が多い。

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