小泉進次郎「民間の立場でも政策は動かせる」 やらなければならないところには情熱がある

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ところが、その日は違って、ひな壇のベテラン議員までが「おかしい」と言い始めて、自民党政調の了承をとるための会議だったのに、そのままお開きになったんです。霞が関は大慌てです。次の会合には、担当大臣が出席しました。それでも簡単に了承とはなりませんでした。最終的には、当時の稲田朋美政調会長が、責任ある形で若手の思っている国づくりや社会保障体制を議論する会合を稲田政調会長が正式に立ち上げることを約束しました。

ここから政策は動き始めました。最初は政調会の委員会のそのまた下の小委員会からでしたが、自民党の若手議員がスクラムを組んで政策づくりに励み、人生80年型のそれまでの社会保障制度を、人生100年時代に対応できるように変えていく、そういう大きなシステム転換に取り組んできました。

その政策を厚労省の政策に取り込ませて、政府の骨太の方針に取り入れられたのが、今年の6月です。来年の1月に始まる通常国会で法律改正という形で実現するはずです。年金の改革も含めて、小林さんと3年間やってきたことが具体的な形で、この社会を変えていくことになります。

この大きな変革の第一歩は、「ちょっと待った」と声を上げた小林さんの一言です。そして、そこにいろんな人の思いがつながった結果です。

政策を動かすのは情熱だ

最初にも申し上げましたが、政治や政策を動かすのは情熱だ、淡々と生きたら政策というものは変わらない、そういう思いが私にはあります。

これはやらなければならない、と思うところには、理屈抜きの情熱があります。本日、このシンポジウムにお集りの皆さんは、そういう情熱をお持ちの方々だと私は信じています。とくに大学生、大学院生の皆さんは、今後、もしかしたら国家公務員として、あるいは政策起業家として、私や小林さんとかと一緒に仕事をする方かもしれません。

そういう人たちが、純粋な思いを政策づくりという分野で発揮できる環境を必ずつくっていきますから、ぜひ、政策づくりや行政、政治の世界に飛び込んできてください。

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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