YouTuber議員の影響力をまるで侮れない理屈 「参加型民主主義」が広がれば分断も進む
2019年3月にYouTuberデビューを果たしたのは、日本共産党中央委員会政策委員長で参議院議員の小池晃氏だ。
チャンネル名はその名もズバリ「YouTuber小池晃」。共産党らしい硬派な作りの「YouTuber小池晃が3分で年金問題を斬る」という動画だけでなく、「Youtuber小池晃が行く 夜までハシゴの旅in赤羽」というぶらり旅的な企画モノもある。
かつての勤務先の病院で一緒に働いていた看護師たちと飲みながら、熱血医師だった頃のエピソードなどを披歴して「庶民目線」をアピールしている。看護師曰く、狭い病室に並んだベッドを飛び越えて、いちばん奥の患者を抱きかかえて心臓マッサージをしたとか。そんな当時の小池氏の行動に若い看護師たちが感動していたという。
最初にアップされた動画「小池晃をYouTuberにしてみた」には、サポーター担当者の発案から始まったという経緯を説明しているが、無党派の若年層へのリーチを意識した取り組みであることは間違いないだろう。
今は政治のYouTube活用の黎明期
現在「たまきチャンネル」の登録者数は約2万人、「YouTuber小池晃」の登録者数は約6000人。世間で名の知れた国会議員のYouTubeチャンネルの本格的な活用は少数にとどまっているが、今後、YouTubeでオリジナルコンテンツを発信して若者を取り込もうとする動きは加速するかもしれない。
例えば、れいわ新選組の代表である山本太郎氏のYouTubeチャンネル登録者数は、約5万5000人と「たまきチャンネル」の2倍以上だが、前述のタピオカやぶらり旅のようなオリジナルコンテンツはほとんどない。逆に言えば、優秀なブレーンがテコ入れをすれば、驚異的な動員を実現する可能性があるということだ。
さらにもう1人、国会議員YouTuberで忘れてはいけないのは、院内会派みんなの党代表で参議院議員の渡辺喜美氏のイメージチェンジだ。
渡辺氏は2018年12月にYouTubeチャンネルを開設していたが、動画の数は少なく開店休業のような状態がしばらく続いていた。変化が起こったのは2019年8月だ。
YouTubeのコメント欄からの指摘などを受けて、ホワイトボードを用いた講義風の動画を投稿し始めたのである。立花氏のスタイルを踏襲したものだと思われる。テーマは「米中貿易戦争」「終戦の詔勅」「GSOMIA破棄」まで多岐にわたる。現在チャンネル登録者数は約6000人となっている。
このようにまだ政治のYouTube活用の黎明期にあるといえる日本の未来を占ううえで参考になるのがお隣、韓国だ。
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