官邸がおびえる小泉元首相の「次の一手」 終わらない「小泉劇場」 

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さらに11月には、福島第一原発事故の現場である福島県知事選も予定されている。国政選挙は2年後の参院選までないとみられるが、地方では「脱原発」をめぐる重要選挙がめじろ押しなのだ。

「こうした選挙に小泉さんが応援に駆け付ける可能性は、多分にあります。もちろん最終的に本人次第ではありますが、少なくとも福島では何かしら仕掛ける用意がある。小泉さんが『脱原発』を掲げて全国の選挙を行脚することにでもなれば、一刻も早く再稼働を進めたい政権にとって“悪夢”というほかないでしょうね」(小泉氏周辺)

安倍政権は都知事選の終了を待ち、原発推進を明記する「エネルギー基本計画」をさっそく閣議決定する方針だ。選挙期間中の原発論争を封印するために、予定されていた1月から延期した代物である。安倍首相は1月28日の衆院本会議で、

「そう簡単に原発をやめるわけにはいかない。(再稼働について)徹底的に検討する」

と答弁した。都知事選では議論を避けながら、着々と再稼働に向けて駒を進めているのだ。

その先には安倍首相がこだわる集団的自衛権の解釈変更、武器輸出3原則の撤回、憲法改正、教育改革といった“タカ派路線”の政策が待っている。これらは、すべて一本の線でつながっている。こうした“安倍色”が不安にさせるのは、そこに「人よりも国家」といわんがばかりのギラついた「国家主義」が見え隠れするからである。

国の方向性を問うのは国政選挙だけではない。一つ一つの地方選挙で民意が問われている。(AERA編集部:鈴木毅、撮影:工藤隆太郎)

AERA  2014年2月17日号
 

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