日テレ「続きはHuluで」に大失望する視聴者心理 高視聴率、ビジネス成立でもブランドにリスク
Hulu日本版を運営しているHJホールディングスは、2014年に日本テレビグループの傘下に加わり、以降は同局関連のコンテンツが充実。とくに視聴者の思い入れが強いドラマ関連のコンテンツが主力となっています。
日本テレビだけでなくテレビ業界全体が、広告収入への不安を抱え、それ以外でどう収益化するかが共通の課題となっていました。地上波の放送による広告収入を大黒柱にしたビジネスモデルでは先細りなのは誰の目にも明白であり、ほとんどのテレビ局が「どうマネタイズしていくか?」を真剣に考えています。
Huluは、玉山鉄二さんと佐々木希さんらが出演した「雨が降ると君は優しい」、竹内結子さんと貫地谷しほりさんらが出演した「ミス・シャーロック/Miss Sherlock」など、力の入ったオリジナルドラマも配信してきましたが、それだけでは多くの新規顧客を誘引し、有料会員数を増やすことにはつながりません。
その意味で「日曜ドラマ」を絡めたHuluオリジナルコンテンツは、日本テレビ傘下であるメリットを生かした最大かつ即効性の高い方法。日本テレビが放送しているドラマの中でも、ネットとの接触時間が長い若年層にリーチしている「日曜ドラマ」(日曜22時30分~)の作品は、企画の段階から「Huluでどんなコンテンツを配信するか」を考えているそうです。
「アプリ内課金あり」のような事前告知がない
つまり、課金アリの無料アプリと似た戦略なのですが、日本テレビとHuluには、インストール画面における「アプリ内課金アリ」という表示に該当する事前告知がないため、「だまされた」と感じる視聴者がいるのでしょう。事実、批判の中には「最初から“続きはHuluで”があると言わないのはずるい」という声が少なくありませんでした。
しかも数カ月間、無料でドラマに熱中させた揚げ句、最終話の終了直後に「この続きは(有料の)Huluで」という後出しじゃんけんの形になった「ボイス」「あなたの番です」「3年A組」「愛してたって、秘密はある。」への批判がヒートアップしたのは必然であり、確信犯と言っても過言ではないでしょう。
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