日経平均は「大相場への初期段階」の兆候がある

上がっているのに市場は盛り上がっていない

その代表的な事象がいわゆる「裁定取引ネット買い残」にあらわれている。9月6日のマイナス1兆6945億円(買い残3721憶円、売り残2兆0666億円)の過去最低水準から、13日には同マイナス1兆5981億円(買い残3348憶円、売り残1兆9329億円)と、僅か1000憶円ほど減ったに過ぎない。

金額ベースで明らかになっているのはこの日までだが、公開されている「株数ベース」でその後を見ると、13日の売り残の、買い残に対する倍率は5.00倍(売り7億9304万株、買い1億5873万株)。また18日のそれは4.68倍(売り7億6293万株、買い1億6287万株)と、さすがに減少してはいるが、やはりまだわずかだ。

最近はネット買い残のマイナスが常態化しているが、これは本来異常であり、本来はプラス圏にあるのが正常な姿だ。ひとまずの目安とし裁定売り残と買い残がイーブンとなる「倍率1倍」まで戻ると考えて見ると、相場の先はかなり長いとみたほうが良さそうだ。

「個人投資家の強気転換なし」を証明するかのように、日経レバレッジ(強気型)ETF(上場投資信託)に信用取引の空売り残が溜まっており、買い残の売り残に対する信用倍率は13日現在0.79倍で、「逆日歩」まで付く始末だ。ETF自体の発行済口数も減り続けている。逆に弱気型ETFの日経ダブルインバースの発行済口数は増加している。個人投資家売買動向も9月第2週でも、第1週の2273憶円から大きく増えて、4956億円の売り越しになっている。

投資家が大相場に気づくのは高値を抜いてから?

このように、現在の相場は「圧倒的な弱気センチメント」が改善しないままだ。相場の上昇は当然買い勢力の台頭で起きるが、弱気横溢の今は、上昇相場ではないということか。

現在の日経平均予想PER(株価収益率)はすでに12.5倍台となっている。これをみてPERの上値限界を意識する向きもあるが、相場が動くときには限界などないはずだ。27年ぶりの高値を付けた昨年10月2日(日中値2万4448円、終値2万4270円)のそれは13.95倍だったし、その年の大発会のPERは15.47倍だった。大相場の予感がするが、それに投資家が気付くのは日経平均が27年ぶりの高値を再び抜いた時かも知れない。

さて今週の展開だが、日米欧中央銀行の「金融イベント」が終わったこともあり若干小粒のせめぎあいが予想される。26日は権利付き最終日。今回の日経平均「権利落ち価格」は160円前後と予測され、9月の落ち分としては過去最高だ。だが、9月末にかけての配当金の再投資額は7000憶円とも言われる。為替水準(1ドル=108円前後)が大幅に変わらなければ、マーケットへのインパクトは大きく、2万2000円固めの大きな力になるはずだ。

金融政策の次は財政政策である。ECB(欧州中央銀行)の量的緩和再開、アメリカの共和・民主両党賛成の2兆ドルインフラ投資、日本でも10月1日消費税増税後の大型補正を控え、この数週間は「相場のまとめ的な期間」になると思っている。その意味でも、今週の予想レンジはおとなしく2万1700円~2万2300円と予測する。

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