ここぞの場面で「緊張する人、しない人」の大差 心拍数上昇、激しい動悸、声が震える人の対処

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旧ソ連の俳優にして演出家、演技講師でもあったコンスタンチン・スタニスラフスキー氏(1863~1938年)は、自然体の演技を引き出すためには緊張をとることが大切だとし、そのことを前提とした演技理論「スタニスラフスキー・システム」を構築しました。

スタニスラフスキー・システムには、「心は直接操作できない」という教えがあります。感情を込めろ、役になり切れ、勇気を持て、などと心を直接操作しようとしても、それは無理強いであり、かえって緊張はひどくなり、頭の中は真っ白になるだけだと見抜きました。メンタルというのは、少しでも無理に変えようとすると、フリーズしてしまうというわけです。

その一方で、心は間接的には誘導できることを発見しました。それは、直接操作できる「身体」を使うことで、間接的に心の状態を変化させられることに気づいたのです。スタニスラフスキー・システムは演劇界に革命をもたらし、ニューヨークのアクターズ・スタジオでも研究が重ねられ、「メソッド演技」として発展を遂げました。

実践!緊張をとる方法

ロバート・デ・ニーロ氏やアル・パチーノ氏などの名優も、メソッド演技を学んでいます。俳優たちが、舞台やカメラの前で自然体で話すことができるのは、身体を活用することで、心の状態を自由自在に操作していたからなのです。

緊張に悩んでいた私は、スタニスラフスキー・システムを徹底的に学びました。そして、自ら実践を繰り返していった結果、舞台上で緊張をせずに、自然体で演技ができるようになったのです。私はこの方法を「伊藤式・緊張撃退メソッド」として体系化し、同じ悩みをもつ俳優や俳優志望者たちの緊張をとることに成功しました。

さらに昨今では、その効果が広く知られるところとなり、ビジネスパーソンで取り入れている方も増えています。ある著名なIT系企業の若手社長も、プレゼン前に「伊藤式・緊張撃退メソッド」を行っています。

このメソッドには、シチュエーションによっていくつかの方法がありますが、ここでは「ジブリッシュダンス」を紹介します。「ジブリッシュ」とは演劇用語で、「メチャクチャ言葉」という意味です。

きちんとした日本語を話さなければならない、という常識や理性から解放されて、緊張しやすい自分を壊していくために「ジブリッシュダンス」を行います。「緊張をとろう」と考えて行う必要はありません。何も考えずに、プレゼンなど緊張を強いるイベントの当日の朝、出発前に自宅で行ってください。

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