会社員が毎日出勤する意味はどれだけあるのか 場所に縛られないことの想像以上の効用

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フランスのカフェも同様に、思想家たちが意見を交換する場でもあったことを考えると、カフェや喫茶店は、意見交換するのに理想的な場所でもあると、歴史が証明してくれていると言えます。

私自身もプレイングマネジャー時代、打ち合わせでカフェを使っていました。もちろん、独立してからも、打ち合わせの半数はカフェで行っています。

お互いのオフィスを行き来するより効率的ですし、私もクライアントも外出していることが多いので、ともに便利な場所で落ち合うようにしています。

ただし、繁華街のいつも混んでいる店を選んでしまうと、隣との距離が近く情報漏洩のリスクがありますので、その点だけは気をつけてください。

できるビジネスパーソンは、半歩先を先取ることで時勢を味方につけます。事務所に縛られないマネジメントスタイルで成果を上げることができれば、あなたのチームへの注目は確実に高まるでしょう。そうなれば、その働き方が全社のスタンダードになるかもしれません。

仕事を飽きさせない工夫が必要

オフィス以外の場所で仕事や会議をすることもそうですが、“仕事を飽きさせない“工夫は、マネジャーにとって非常に重要な仕事です。

どんな仕事でも、最初は面白いもの。しかし必ず「飽きる」時期がきます。

楽しかった遊園地も、5回目ともなれば飽きてしまう。仕事も一緒です。どんな刺激的な仕事であっても、どんな面白い職場であっても、マンネリになり、面白くなくなってきます。

ここでお聞きしますが、あなたは、仕事に対してどのような考え方を持っているでしょうか?

①生活のために、イヤだけど仕方なくするもの
②任された責任があるからするもの
③自分らしさを発揮できる面白いもの

これらは、次の3つの仕事観に言い換えることができます。

①レイバー(役務):仕事は嫌い。生活するために我慢してやる感覚
②ワーク(業務):与えられた責任だからきちんとやる感覚
③プレイ(面白いもの):今の仕事が好きで適職であるという感覚

「プレイヤー」という表現は本来、自分の「らしさ」を発揮し、何かの価値を提供することに喜びを感じている人のことを指します。

私はこれまで、1万人を超えるプレイングマネジャーと対面しましたが、「③プレイ」(もしくは、「②ワーク」)の仕事観を持つ人がほとんどでした。忙しいなかでも、仕事にやりがいを感じている人が多かったのです。きっとあなたも同じだと思います。

しかし、あなたの部下は大丈夫でしょうか。

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