会社員が毎日出勤する意味はどれだけあるのか 場所に縛られないことの想像以上の効用
何も、私は思いつきで述べているわけではありません。
アメリカの求人情報サービス「FlexJobs」が2015年に実施した意識調査(対象:2600人)によると、「労働者の76%が、オフィスの外で作業したほうがはかどる」という結果が得られたのです。
しかも、回答者の半数(50%)が「最も生産性が高いのは自宅」と回答。「カフェ」「図書館」「コワーキングスペース」と回答した人も12%いました。
実際、コワーキングスペースで、打ち合わせや作業をするビシネスパーソンは増えています。会員にならなくても、1時間500円ほどの料金で利用できますので、「小さな実験」をしてみてはいかがでしょうか。
とくに、都心部での通勤によるストレスは大変なもの。また、電話や同僚から声をかけられて仕事が中断することも、時にはストレスになるでしょう。
もちろんオフィスで働くメリットもありますが、働く場所が固定されていることで生産性が下がるということも事実なのです。
そもそも、「事務所にいる=仕事をしている」と考えるのは、ちょっと古いと思いませんか。
もしあなたが現場を知り、裁量もあるプレイングマネジャーなら、こういった新しい取り組みを推し進めやすいはずです。ぜひ、思い切った改革に着手してみてはいかがでしょう。
「サードプレースオフィス」という考え方
また、会議をオフィス以外の場所で行うこともおすすめです。
ユニークな方法をご紹介しましょう。これは、私のクライアントの会社でのやりとりです。
マネジャー:「今日14時の会議は、場所どこだっけ?」
部下:「H1です」
「H1」とは、この会社のオフィスから徒歩1分の場所にある、英国風PUB「HUB」のことです。
「H1」の「H」は、HUBの「H」だったのです。ちなみに「1」の意味を聞きましたが、「誰も知らない」とのことでした。
カウンターでコーヒーを注文し、ミーティング。私も、こちらの会社に伺ったとき、「H1」で打ち合わせをしたことがあるのですが、とても自由な雰囲気で話ができました。意見交換が活発になるので、アイデアを交換したり、何かを決めるときなどにおすすめです。
このように、事務所でも自宅でもない場所のことを「サードプレースオフィス(第三の事務所)」と言います。
イギリスの「PUB」の語源は、「PUBLIC」。単なる飲食店ではなく、議論を交わすなどの、社交の場でもあったわけです。
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