「Fitbit」はアップルウォッチと何が違うのか 9月下旬に新商品投入し、知名度向上を狙う

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もっとも日本はこうしたスマートウォッチ自体の普及が世界に比べて遅れている。モーリー副社長は「日本人は腕時計をつける率は高いが、エレガント系を好む傾向にあった。一方でテクノロジー系のスマートウォッチをどこでも使うのに抵抗感がある人が多い」と分析する。

そのうえで、「最近は各社の商品バラエティが増えて抵抗感がなくなっている人が多い。小売店でも扱いが増えて自然につけている人が増えている」(モーリー副社長)として、日本市場の潜在力の高さに注目する。

成長のカギを握る「女性」と「法人」

フィットビットが日本で特に狙っているのが「女性」と「法人」だ。女性向けには生理周期から女性の健康状態をみるトラッキング機能を提供するほか、法人向けにも健康を軸に攻勢をかけている。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険や三菱ケミカル、電通など100社以上がフィットビットの端末を導入。各企業は端末から取得したデータを従業員の健康診断結果や勤怠記録と結びつけて、健康維持につなげようとしている。

フィットビットのスティーブ・モーリー副社長は「今後の成長率を見ると、日本は非常に高い」と強調する(撮影:尾形文繁)

モーリー副社長は「健康経営を推進し、ヘルスケアコストを削減しようとしている大企業が特に日本では多い。世界でもこんなに興味を示している企業はない」と驚く。

背景にはデータに裏付けられた特異な日本市場がある。フィットビットによると、睡眠時間は主要世界18カ国で最低となる平均6時間47分、平均就寝時間も午前0時で最も遅い結果という。また記憶を処理する時間とされるレム睡眠の時間も77分と最低レベルで、“不健康予備軍”が多い。

モーリー副社長は「車は複数のセンサーがついて故障の有無がチェックされているように、人間の健康もコンスタントに確認できるデバイスを手頃な価格で提供したい。そして5年後に振り返ってフィットビットのデバイスが毎日モニターされる当たり前の世界にしたい」と語る。健康を軸にしたスマートウォッチ競争が激しくなる中、フィットビットは生き残れるか。

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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