実際に使ってわかった「iPhone 11」の超絶進化 超広角カメラとナイトモードは驚異的だ

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しかも撮影した写真の外側も記録しておき、撮影した後から画角を調整することもできるようになった。これは目から鱗だ。Live Photosは目をつむる直前もしくは直後も記録して、後からどの瞬間を写真にするかを選べた。こんどは撮影した範囲、フレームまであとから調節できるのだ。こうしてiPhoneには、二重の失敗防止機能が搭載された。なおこの周辺視野の写真を保持しているのは30日間で、編集がなければ削除される。

ナイトモード(写真下)を使うと、暗い場面でも被写体の色が浮かび上がる。ただし、画面に表示された秒数を固定して撮影する(筆者撮影)

また今回のiPhone 11のカメラは暗い場面では自動的にナイトモードになる。複数枚の写真を合成し、暗所でも高精細かつ明るい写真を撮影する機能だ。自動的に秒数が表示され、iPhoneを手持ちで固定する程度で、通常の撮影では集められなかった光が記録される。

暗いレストランでの料理撮影でも、お皿はきっちりと真っ白に、肉は艶やかな赤に撮影された。また夜空にiPhone 11を向ければ、肉眼で見えるかどうか怪しい星まで捉えてくれる。つい、涼しくなった夜に散歩しながら写真を撮りたくなってしまう。

iPhone XRはシングルカメラで、人物だけのポートレート撮影を実現していたが、iPhone 11はカメラが2つとなったため、人物に限らないポートレート撮影に対応するようになった点も特筆すべきだ。

ディスプレー側に搭載されるカメラにも工夫が

iPhone 11 Proには、新しくなったf2.0と20%明るくなった52mmの望遠カメラも備わり、超広角から望遠まで13mm/f2.4〜26mm/f1.8〜52mm/f2.0とカバーするカメラシステムを構成する。超広角からズームしても、非常に滑らかでレンズが切り替わったことを意識させない。使っていないカメラもつねに動作しており、露出やホワイトバランスなどの調整のために情報収集するという。

これまでどおりポートレート撮影は望遠カメラが標準だが、切り替えることでiPhone 11と同様に広角カメラを使ったポートレート撮影にも対応し、これまでのiPhone XS MaxやiPhone 8 Plusなどを使ってきた人には自由度が大きく高まる体験ができるだろう。

もう1点。ディスプレー側に搭載されるTrueDepthカメラは、700万画素から1200万画素に強化され、4K/60fpsのビデオ撮影にも対応した。またこれまでの32mmから23mmへと広角になった。ここにも工夫が隠されている。

縦長のセルフィーを撮影する場合は30mmで自分をちょうどいいサイズで撮影しやすくしている。一方横長で撮影する際には23mmに自動的に調整され、グループセルフィーの際により多くの人が入れるよう配慮している。いずれも切り替えることはできるが、活用場面に合わせた調整をしてくれる点は、よく考えられていると感じた。

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