1992年9月にスーパーファミコンソフトとして発売された『ドラゴンクエスト5』を、8月2日にフルCGで映画化した『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』が公開された。
ゲームの映画化というと、ミラ・ジョヴォヴィッチが主役を務める『バイオハザード』シリーズのような成功例はあれど、大方の作品が鳴かず飛ばずの印象だ。
とくに、同じ日本の国民的RPGの映画化という点では、まだスクウェア・エニックスでなかった頃のスクウェアが制作し、2001年に上映された、フルCG作品である劇場版『ファイナルファンタジー』が思い出される。
この作品は当初予算の倍となる150億円以上を投じながらも大ゴケ。この作品の失敗がスクウェアの経営状況を著しく悪化させ、のちのエニックスとの合併の一因となったとも言われている。
「ドラクエファンへの裏切り」
実のところを言ってしまうと、僕は「ユア・ストーリー」にまったく興味がなかった。ドラクエは好きではあるが、わざわざ映画で見る必然性を感じなかったし、上記のような「ゲームの映画化はハズレ」という印象が強く、映画化は知ってはいても、とくに触れてはこなかった。
8月2日。僕自身は完全に映画のことをいっさい気にしていなかったので、その日が上映初日であると知っているはずもなかったのだが、ツイッターで同作の感想として「衝撃の展開にびっくり」みたいなよい感想もあったが、一方で「クソ映画」「ブチ切れ」「ドラクエファンへの裏切り」などとツイートする人が多くおり、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されていた。
とくに、事前情報からしっかり注目していて、ワクワク感をもって見に行っていた人ほど失望や怒りをにじませている感想が多く見られた。
見に行く予定もなかったので、ネタバレ有りの感想を読んでみたら「ああ、そういうことか。そりゃ展開を知らずにワクワクしていた人は失望するだろうなぁ」と、悪い意味で気になってしまい、結局、映画を見にいくことにしたのである。
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