MMTが「こんなに誤解される理由」を考えてみた 政権を取れるのか「受難の経済学」今後の論点
MMTはなぜ誤解されるのか?
経済理論「MMT」に、人々は2度驚く。まずは内容の過激さに、次にはその論理の堅牢さに。少なくとも私はそうだったが、とくに多くの経済学者や専門家にとってはそうだろう。MMTへの反応が、激しくなる傾向にあるのには理由がある。
MMTは「貨幣とは何か?」から始まる経済理論である。「貨幣は金の引換券」(金属主義)ではなく「貨幣は負債の記録」(名目主義)とし、そこから敷衍して経済全体のメカニズムを統合的に論じるのが最大の特徴だ。
MMTが注目される理由は、MMTの主張がいわゆる現在の”主流派”の構築する経済学とかならずしも整合しないところがあり、軋轢を生んでいるところにある。主流派経済学からは”異端”的に扱われ論難され、その攻撃の激しさも衆目を集めるきっかけとなっている。まさに”受難の経済学”とでもいうべき風情がMMTにはある。
では、MMTははたして主流派が決して容認できないほど誤った”教義”なのだろうか。
私は「貨幣とは何か?」に関しての前提が、MMTと主流派でまったく異なっているというわけではなく、むしろ共通しているといってもいい、と考えている。
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