留学の新潮流?「フィジー」に若い女性が集まる訳 バリバリ働く人の環境をアップデートする

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フィジーは「世界で1番幸せな国」といわれるとおり、「世界幸福度調査」(ギャラップ・インターナショナルとWINによる共同調査)で2014年、2016年、2017年、2018年に1位となっています。

ボランティア活動の様子(写真:COLORS FIJI English School提供)

もちろん日本の幸福度も2018年は55カ国中18位と決して悪くないのですが、実感としてはどうでしょうか。

会社などの組織内では、いまだに縦割りの構造で、協調性と同質性が重んじられるところが少なくないでしょう。時間にとても厳格で、朝の満員電車の中は緊張感が漂っています。大都会に住んでいると、青空を見上げる余裕すらないという人もいるかもしれません。日本は生活するうえでの利便性は高いですが、ストレスの多い世界に生きています。

そんな中で、フィジーのあまり細かいことを気にしない「ゆるさ」が現代の日本人には必要なことかもしれません。

フィジー人ほど優しい人たちはいない

多田氏は「ライフスタイルをアップデートする」という表現で、日本人にとってのフィジー留学の意義を発信しています。欧米やフィリピンではなくフィジーである理由は、「英語+アルファ」がフィジーにはあるから。プラスアルファの付加価値はフィジー人の気質にあると断言します。「フィジーほど何の見返りも求めず、町で声をかけてくる国民はいないと思うんです」(多田氏)。

つねに成果や効率化に邁進してきたビジネスパーソンにとって、現地住民の温かさやライフスタイルがフィジーの不思議な魅力なのかもしれません。

この語学学校(COLORS FIJI English School)では、少人数制のクラスとマンツーマンレッスンを組み合わせた英語コースを提供しており、ホームステイ滞在やボランティア体験を通して地域の人々と交流できる機会も用意されています。有給休暇を使った1週間のプチ留学も可能とのことです。

ただ、日本のようにインフラが整っていないので、不便なことも多いのは事実。それが体験者の声にもあるように「不便さ=不幸ではない」ということを体感する機会となっています。

今後、海外留学の新潮流として、フィジー留学がライフスタイルをアップデートできる場所として人気になるかもしれません。

大川 彰一 留学ソムリエ 代表取締役

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おおかわ しょういち / Shoichi Okawa

日本認定留学カウンセラー協会幹事、TAFE Queensland駐日代表。1970年京都市生まれ。セールス&マーケティングに約10年間携わり、カナダに渡航。帰国後、留学カウンセラーとして4年間で約1000名以上の留学やワーキングホリデーに関わる。その後、米国の教育系NPOのアジア統括ディレクターとして約6年間、グローバル人材育成に尽力。海外インターンシップを大学の単位認定科目としての導入に成功、東北復興プロジェクト、アジアの国際協力プログラム開発にも携わる。現在は「留学ソムリエ®︎」として国際教育事業コンサルティングや留学の情報を発信。留学ソムリエの詳細はHPFacebookから。著書に『オトナ留学のススメ』(辰巳出版)。

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