留学の新潮流?「フィジー」に若い女性が集まる訳 バリバリ働く人の環境をアップデートする
多田氏は2004年から日本車を海外輸出する貿易会社を経営しており、2018年秋にフィジーに語学学校を開校しました。
「フィジーの他の学校と同様に、英語を学んでいるのはほとんど日本人です。社会人が中心で、(男性もいますが)とくに20代後半から30代の女性ですね。業種としては、グローバル企業の広報や法務、法人営業など、バリバリ働いてきた人も多いです」(多田氏)
英語レベルは基礎から中上級まで、その人に合わせて学び直すことができ、留学期間も平均して12週間以上と、短期留学の部類では長い期間で学ぶ傾向があるそうです。キャリア系の女性もTOEICテストのスコアは高くても、会話は苦手という方はとても多いので、この学校で実施しているEffective Speakingコースも効果があるそうです。
参加した方の感想を紹介します。
「フィジー留学を通して大きな変化がありました。会社を退職してきましたが、会社員時代に疲れていて、『元気になりたい』と思ってフィジーに飛び込んだ結果、とても元気になりました(笑)。
その理由は、フィジー人の国民性ですね。『人を助ける』ことが当たり前に実践できているフィジー人たちと接していて、どこか『あったかい』気持ちになりました」(Kさん・20代女性)
「私たちは普段、当たり前に整ったインフラや、栄養バランスの取れたおいしい食事、情報、たくさんの豊かなものに囲まれて生きています。それらを知っているからこそ、フィジーで過ごした期間はそういう面で不便や、つらさを感じることもありました。
フィジーの人たちは、限られたものの中で、家族とたくさんの小さな幸せを見つけ、今を楽しんで生きているように見えました。経済的な豊かさが絶対的な幸せとは限らない、心の豊かさで感じる幸せのほうが幸福なのではないか。改めて、幸せの価値観とは何なのか考えることができたフィジー留学でした」(Iさん・30代女性)
多田氏の学校では、常時20名程度の学生が学んでおり、2020年春に向けてクラスの増設も検討しています。
人生100年時代のリフレッシュ留学
もともと海外の語学学校へは英語を学ぶために留学に行くことが目的でした。しかし、近年はセブ島やフィジー留学のようにリフレッシュ型の社会人留学が増加傾向にあるようです。
終身雇用の前提がなくなったり人生100年時代といわれている中で、キャリア形成に関心を持つ人は着実に増えています。そんな中で普段とても忙しく働いてはいるものの、キャリアの合間に一旦海外でリセットする、自分のキャリアを見つめ直すという形が支持されているともいえます。
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