病院からゴディバまで、投資ファンドの最前線 プライベート・エクイティの投資額が急増

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「薬価の改定スピードが速くなっており、中堅製薬会社は規模を大きくしていかないとこれからは生きていけない。買収したあゆみを再編の軸にできるかもしれない」

アメリカのPE最大手、ブラックストーンの坂本篤彦・シニアマネージングディレクターはそう語る。

同社は今年4月、日本における第1号案件として、ジェネリック医薬品中堅のあゆみ製薬をユニゾンから買収した。負債を含めた金額は1000億円超とみられ、今後、あゆみを軸にした中堅製薬会社の再編を狙っている。

日本含むアジア向けファンドに5000億円

坂本氏はゴールドマン・サックス証券やベインキャピタルなどを経て、2018年からブラックストーン入りしている。一足早く日本市場に参入したコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)やカーライルなど、アメリカ系の大手PEと比べて、ブラックストーンは一歩出遅れた。

ニューヨーク証券取引所に上場するブラックストーンの時価総額は約6兆円と巨額だ。PEと不動産投資の2つの大きな柱を持つことを強みにしている。日本に特化したファンドは現在存在しないが、日本を含むアジア向けファンドとして5000億円規模の投資ファンドを用意している。

「日本における投資のボリュームゾーンは、エクイティサイズで200億~500億円の企業。投資テーマとしては、大企業のカーブアウトがビジネスチャンスだと思っており、水面下でのマグマが動いている」と坂本氏は期待する。

あゆみ製薬は同じPEのユニゾンが買収した案件を買った、いわば「セカンダリーバイアウト」の案件だが、1号案件を成立させたことでほっとした表情を見せる。坂本氏は「今年は、もう1件の投資を計画している。次はできればプライマリー案件をやりたい」と意欲を見せる。

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