さらに、食分野で注目すべき変化があります。「生活定点」の「好きな料理ベスト3は何ですか?」という質問で、近年、不動のベスト3をキープしている寿司、焼き肉、ラーメンの三強のうち、寿司とラーメンに異変が見られるのです。
とくに注目したいのは、20年間にわたって、ずっと好きな料理1位の座を守る寿司に起きている、“30代男性の寿司離れ”です。
寿司が「好きな料理ベスト3に入る」と答えた30代男性は、2016年には36.3%でしたが、2018年には過去最低の24.1%へと、わずか2年で実に12.2ポイントも下降していました。
「人にごちそうするなら、寿司が鉄板」と思っている人は、要注意かもしれません。後輩をねぎらおうと寿司に誘っても、思ったほど喜んでもらえない可能性もあるのです。
金額も、食べるシーンも異なるでしょうが、食の好みだけをみれば、30代男性にとっての寿司とは、カレーライス(好きな料理ベスト3に入る:23.8%)や鶏のから揚げ(同:21.9%)をご馳走するのと、変わらないくらいの地位になってしまっているのですから。
気になるラーメン離れの背景
もう1つ、気になる異変が、“20代女性のラーメン離れ”です。
同じく「好きな料理ベスト3」を尋ねる質問に対し、ラーメンと答えた20代女性は、2016年には25.5%でしたが、2018年には13.0%へと、2年で12.5ポイントも急落しています。
体に気を遣った生活を心がけているのかと思いきや、そうした傾向は調査では現れていません。
2016年 29.8% → 2018年 25.2%(-4.6ポイント)
「ダイエットを意識した食事をしている」
2016年 26.0% → 2018年 22.8%(-3.2ポイント)
「自然食品(オーガニック、無添加食品など)をよく利用する」
2016年 16.6% → 2018年 8.9%(-7.7ポイント)
「太らないように気を配っている」
2016年 48.1% → 2018年 46.3%(-1.8ポイント)
と、むしろ食事や健康に気を遣わない人が、わずかながら増えているほどです。
ちなみに、ラーメンが「好きな料理ベスト3に入る」と答える人の割合が、毎回女性の2倍以上に上り、ラーメン人気を支えている男性層においても、
30代男性 2016年 40.2% → 2018年 36.7%(-3.5ポイント)
20代男性 2016年 40.0% → 2018年 30.8%(-9.2ポイント)
と、軒並みラーメン離れが起きています。
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