ユニゾ買収、HISはどこでボタンを掛け違えたか 「白馬の騎士」にソフトバンク系ファンド登場

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フォートレスが提示した4000円という水準は、直近の株価を大幅に上回る。HISがTOBを公表するまで2000円前後で推移していた株価は、HISがTOBを公表した後、TOB価格の3100円を上回る水準で推移していた。

この間、株を買い集めていたのが、大手アクティビスト(物言う株主)のエリオット・マネジメントだ。同社は直近でユニゾ株を9.9%保有する大株主に浮上している。

ユニゾとHISの「浅からぬ縁」

注目が集まるのは今後のHISの対応だが、今のところ「ユニゾの発表した内容を精査する。対応が決まったら公表する」(会社側)とするのみだ。

そもそもHISにとって、ユニゾ買収にメリットがあったのだろうか。ユニゾ側の質問に対してHISが示した回答やユニゾの反対表明をみる限り、都市部でビジネスホテルのような宿泊特化型ホテルを展開するユニゾと、リゾートホテル主体のHISのホテルでは相乗効果が乏しい。

敵対的買収に発展したユニゾ買収について、HISの澤田秀雄会長兼社長はどう出るのか(記者撮影)

さらに、両社の間に「信頼関係がない」点も大きい。

HIS側が、財務担当取締役の中谷茂氏らが訪問したり、証券会社を通じてユニゾ側に提携を打診したと説明しているのに対し、ユニゾ側は30分間のただの表敬訪問で業務提携の打診はなく、証券会社を通した打診も不明瞭で意味があるものではなかったと反論している。

実はユニゾとHISには浅からぬ縁がある。ユニゾはかつて、ハウステンボス内の高級ホテル「ホテルヨーロッパ」の不動産について、3分の2を保有していた。だが、経営不振が続いたハウステンボスが2003年に会社更生法の適用を申請。2010年からはHISがスポンサーとして再建に取り組むことになった結果、ハウステンボス側からホテルヨーロッパの資産譲渡を求められた。

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