HIS、ユニゾTOBで狙う「ホテル王」への野望 ホテル事業拡大へ不動産会社買収のなぜ?
「国内と海外のホテル事業を強化し、トップ10入りしたい。そのために、ユニゾホールディングスと提携し、協業関係を深めたい」
大手旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)の澤田秀雄会長兼社長はそう宣言した。
買い付けプレミアムは56%上乗せ
HISは7月10日、旧日本興業銀行系の不動産会社ユニゾホールディングスに対し、TOB(株式公開買付)を開始すると発表した。
7月11日から8月23日までTOBを実施し、最大1375万株、発行済み株式数の45%を上限に買い集める。買い付け価格は7月9日の株価に56%上乗せした1株3100円で、総額427億円を投じる計画だ。
ユニゾHDは「ユニゾ」ブランドのホテルを全国で25軒運営している。さらに、東京を地盤にユニゾブランドなどの賃貸オフィスを79物件保有、売上高の8割弱を賃貸不動産が稼ぎ出す。
HISが狙いをつけたのが、このホテル事業だ。「当社のネットワークと販売チャネルを使えば稼働率を向上させられる。不動産取得やホテル開発などでも相乗効果が見込める」(HISの中谷茂・財務担当取締役)。
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