正念場ハウステンボスが密かに打つ「次の一手」

子会社化10年、煮え切らない上場表明の背景

広大な敷地と美しい町並みを生かし、復活を遂げたハウステンボス。だが、ここ数年は伸び悩みつつある(写真:ハウステンボス)

いったい、何が狙いなのか――。

長崎県佐世保市のハウステンボスが、東京証券取引所への上場に向けた準備を始めている。親会社の旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が2月28日に発表した。

ただ、肝心のいつ上場するかは「未定」(HIS)。目的についても「複数あるが準備段階のため非公表」(同)という。当事者のハウステンボスも「長期的な発展にプラスとなるから」との回答にとどめた。煮え切らない上場表明の背景には何があるのか。

民事再生からの劇的な復活

ハウステンボスは1992年、2000億円以上もの費用をかけて佐世保市に開業した。開業当初こそ年間350万人もの入場者数を誇ったが、その後は立地の悪さから集客の苦戦が続き、2003年には民事再生法の適用を申請。2010年にHISが子会社化し、経営再建に乗り出した。

【2019年3月6日10時55分注記】初出時の記事で「民事再生法の適用を申請」としておりましたが、正しくは「会社更生法の適用を申請」です。お詫びのうえ、修正いたします。

HISの澤田秀雄会長兼社長は自らハウステンボスの社長に就任し、約152万平方メートルの広大な敷地を生かした大型イベントの実施や固定費の削減といった施策を進めてきた。

とくに、2010年から毎年冬場に行っているイルミネーション「光の王国」は1300万球もの電球を用い、世界最大規模を誇る。こうしたテコ入れの効果もあり、現在の入場者数は年間300万人程度まで回復、HISにとってもグループ全体の利益の約40%をたたき出す稼ぎ頭となった。

復活を遂げたハウステンボスだが、近年は頭打ちの色が強まっている。きっかけは2016年の熊本地震だ。右肩上がりだった入場者数は、震災を機に減少へと転じた。その後も新しいイベントで十分な集客効果を発揮できず、直近まで3期連続で減少している。

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