HIS、ユニゾTOBで狙う「ホテル王」への野望 ホテル事業拡大へ不動産会社買収のなぜ?
HISは売上高の9割弱を占める旅行事業のほか、経営再建を果たした長崎のテーマパーク・ハウステンボスが収益を稼ぎ出していた。ところが、旅行事業はネット専業の旅行業者の攻勢を受ける状況で、ハウステンボスも熊本地震以降、集客に苦戦して利益が伸び悩んでいる。
そこで進めるのが宿泊特化型の「変なホテル」に代表されるホテル事業の拡大だ。インバウンド観光客の増加を受けて、ホテル業界は市場の拡大を謳歌している。HISも従来から自社開発やM&Aで2023年までにホテルを100軒(稼働中33軒、建設中・交渉中34軒)に増やす方針を掲げていた。
そこで狙いを付けたのがユニゾだった。HISによれば、ホテル事業の強化に乗り出した2014年以降、M&Aや提携先を模索し、2018年月中旬にユニゾHDに照準を定めた。
ユニゾHDは一方的なTOBに反発
2018年9月にユニゾ HDへ業務提携を打診したが、検討を進めるような回答は得られなかったという。そこでHISは市場でユニゾ株を買い集め、直近で4.79%を保有する筆頭株主に浮上。そして今回TOBという形で提携を突きつけた格好だ。

TOBが成立すれば、HISグループのホテル運営軒数は、開発中のものを合わせて92軒に拡大。宿泊特化型ホテルの国内運営会社として「トップ10入りする」(澤田会長)と期待に胸を膨らませる。
標的となったユニゾHDは「当社に対して何らの連絡もなく、一方的かつ突然に行われた」と反発。今後、情報を精査した上で「速やかに当社の見解を公表する」と発表した。
これまでユニゾ HDがHISとの提携に乗り気でなかった経緯を考えると、TOBに素直に賛同するかは不透明だ。
会見で敵対的な買収ではないかと問われたHISは「株主も従業員も幸せになる、その点で友好的な買収だ」(澤田会長)と強調するが、ユニゾ側がこれまで提携に否定的だったことについては「その理由はわかりかねる」(中谷取締役)という。
ただ、TOBを公表した10日のHIS株終値は前日比4.6%安の2557円まで下げるなど、証券市場の評価は厳しい。ユニゾHDの売り上げのほとんどが不動産事業のため、わざわざホテル事業のために巨額の費用を投じる意味は見えづらい。また仮にTOBが成功したとしても、300軒近くを運営する東横インや、500軒に迫るアパグループに肩を並べるのは容易ではない。
はたして、ユニゾはどう対応するのか。「友好的な提携」を掲げる澤田氏の手腕が問われそうだ。
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