ヤフーがソフトバンクからデータセンター子会社を買収、狙いは携帯春商戦を控えたソフトバンクへの資金支援?
ヤフーは、親会社のソフトバンク<9984>から、同社のデータセンター子会社を450億円で買収したうえで吸収合併する、と発表した。
買収するのはソフトバンクIDCソリューションズ(旧ソフトバンクIDC)で、前身は国際通信会社のケーブル・アンド・ワイヤレスIDC。2008年3月期の業績は、売上高98億円、純利益21億円。
ヤフーはもともとデータセンターなど設備をアウトソーシングする戦略をとっていたが、方針を転換、一部を内部化することで経費を削減する。来10年3月期からの3年間で約80億円のコスト削減が見込める、という。また、データセンターを活用することで、メールシステムやネット通販のシステム運営を請け負う事業、いわゆるクラウドコンピューティング事業を拡大する。ヤフーは個人向けビジネスに強いが、法人向けの事業の拡大も狙う。
以前から井上雅博社長は、データ量の拡大を背景に、データセンターの内部化にも言及。折しも急激な景気悪化からヤフーも経費削減を進めているところ。とはいえ、このタイミングで買収するほど切迫しているわけでもなく、ヤフーが通信事業者になる必然性も高くはない。
一方、売却するソフトバンクにとっては、これから、携帯電話の最大の商戦期である春商戦が始まるところだ。資金はいくらあっても足りない。金融環境も悪化しており、孝行子会社からの450億円の兵糧はなによりもありがたいことだろう。
「東洋経済オンライン」は、IDCの買収が来期から業績に反映するという前提で、業績見通しを若干増額する。
(丸山 尚文)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2008.03 262,027 124,807 121,511 62,617
連本2009.03予 265,000 133,000 132,000 76,000
連本2010.03予 290,000 145,000 140,000 88,000
連中2008.09 131,627 65,905 65,091 36,894
連中2009.09予 140,000 70,000 69,000 42,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2008.03 1035 104
連本2009.03予 1282 127-130
連本2010.03予 1484 140-150
連中2008.09 616.8 0
連中2009.09予 708.4 0
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