【第1条】親のお金の現状を全力で把握せよ
何と言っても大切なことは、親御さんのお金がどこの金融機関に、どのような状態で存在するのかを把握しておくことだ。
高齢になると、突然亡くなることもあるし、認知症が進行することもある。こうした場合、例えば、銀行預金なら10年間動きのない預金は休眠預金となってしまい、後から遺族がこの存在に気づいても、払い戻しを受けることが難しい場合がある。
筆者も、さるメガバンクにあった父親の預金の資金の流れを確認したいと思ったときに、過去10年分までしかデータをもらえず、結局、目的を十分果たせなかった経験がある。
法令で銀行の書類保管期限は10年とされているので、それ以上さかのぼったデータは出てこなくても仕方がないのだ(それ以前のデータを出してくれた銀行もあったが、その銀行が「たまたま親切」だっただけなのだ)。
最低限「お金のありか」だけは把握する
金額や明細を本人が家族に見せたくない場合もあるだろうが、少なくともお金の「在所(ありか)」については、後から家族がわかるようにしておきたい。もちろん、預金、有価証券、保険、などに関して明細を知っておくほうがいいことは当然なのだが、最低限、お金のあり場所は家族がわかるようにしておきたい。
【第2条】金融機関との付き合いの状況を把握せよ
親御さんがどこの金融機関と、どのように取引されているかをぜひ把握しておきたい。
取引先の金融機関の営業担当者は、お金を持っている高齢者に対して極めて親切に接する。商売なのだから当然のことだ! 日頃は離れた場所にいて、たまに帰ってきたときだけ小うるさいことを言う息子などよりも、日頃から話し相手になってくれる金融機関の営業担当者のほうが好かれている場合が少なくない。
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