ドナルド・トランプ大統領がまたもや「中国に関税をかけるぞ」、とツイッターで脅したことで、世界中で一時株価が急落、大騒ぎになっています(その後も乱高下を繰り返していますな)。こうなるとGDPも雇用統計も糞もない(笑)。
ぐっちーポストの「有料メルマガ」では当初から散々書いてきたテーマなので、「何をいまさら」なんですが、多くのメディアの人はそういう情報にお金を払う気は毛頭ないようで、平気で電話してくる方々がたくさんいて、よほど仲のいいメディアの人でない限り、お話はお断りしています。なぜなら、こちらのいいたいことをすべて読んだうえで質問してもらわないと、答えの一部だけを切り取られたりして誤解されてもムカつくし、そういう意味ではメディアの姿勢も問われるべきではないでしょうか。
というわけで、本来別の話題を書くつもりだったのですが、メディアの方のアクセスも多いので、こうしておけば過去の記事をちゃんと読んで取材に来てくれるだろう、ということで、東洋経済オンラインには本件について過去に書いてきたことをまとめてみます。
アメリカの「対中貿易赤字」は高水準のまま
まず、誤解を恐れずに言えば、米中貿易摩擦問題による「経済上の大問題」は、そもそもほとんど存在すらしていません。そんなもの、現実には最初から今に至るまでないに等しいのです。お互いに関税を掛けたり、輸入禁止をしてみたり、いろいろなことをやっていますが、実際にそれで何かの効果が見られましたか?これは統計をちょっと見たら明らかなんですが、どうしてそれがわからないまま、大騒ぎしているのか、全く意味不明です。
すでにアメリカが関税をかけ始め、中国が報復をして1年以上がたつんですよ。それで何かが変わったか。例えば貿易統計を見てみると、ほとんど何も変わっていないということがすぐわかります。制裁前も後もアメリカの貿易赤字は高い水準ですし、対中国の貿易赤字水準も少し減ったくらいで、ほぼ変わりません。これは大きな問題が起きていないということ以外、説明のしようがありませんよね。みなさん、一体何を見ているのでしょうか。
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