「飲みニケーション」が時代錯誤と言えない理由 「18年仕事相手と飲む」を貫いた男が得たもの

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これまでに何度も経験してきたが、「今度飲もうね~」系の人とはその後長くは続かなかった。「その“今度”っていつ?」と言ったときに手帳を出して明確に答えられる人こそあなたにとって重要な人かもしれない。実際、日程を決めようとして困惑して「えぇと……、まだ先が見えないので……」なんて言った人はその後会うことはない。

飲み会というものは「気が進まない相手だと避けたいけど、重要な人とはその時間をその人と使いたい」ということを示すリトマス試験紙のようなものだと思う。だからこそ、誘ってくれる方々のオファーは有難いし、パッパッと決めてくれる人だと信用できるし、その後一緒に仕事をしてもうまくいく。

飲み会は気の合う人見分けるリトマス紙

あまりうがった見方はしたくないが、飲み会に誘った相手の反応は、自分がその相手からどれだけ重要な人間だと思われているかを判断する基準になると思う。

もちろん「親の介護があるので無理なんです」や「妻がワンオペ育児をしているのでせめて夜ぐらいは私がきちんと育児をしなくてはいけません」「借金があり外食などできないのです……」などと理由がある人はいいのだが、差し迫った苦難がない人が「先が見えないので……」と言った場合は、多分その人との関係をあまり深めなくていい。飲み会程度の数時間・数千円のことさえあなたと一緒にいたくないと考えるのであれば、あなたのことは人生においてとくに重要な人間ではないと宣言したようなものである。

あとは、1人で過ごしたい方がいるのは理解する。本稿に反発する方もいるだろうが、これはあくまでも「飲み会好き」とは絶対にわかり合えない、というだけのことなので、お互い接点を持たないのが吉である。

中川 淳一郎 著述家、コメンテーター

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なかがわ じゅんいちろう / Junichiro Nakagawa

1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライターや『テレビブロス』編集者などを経て、出版社系ネットニュースサイトの先鞭となった『NEWSポストセブン』の立ち上げから編集者として関わり、並行してPRプランナーとしても活動。2020年8月31日に「セミリタイア」を宣言し、ネットニュース編集およびPRプランニングの第一線から退く。同年11月1日、佐賀県唐津市へ移住。ABEMAのニュースチャンネル『ABEMA Prime』にコメンテーターとして出演中。週刊新潮「この連載はミスリードです」他連載多数。

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