「飲みニケーション」が時代錯誤と言えない理由 「18年仕事相手と飲む」を貫いた男が得たもの

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今現在も約20社から私は仕事をもらっているが、この人たち全員と飲んだことがあるし、多い人など100回は飲んでいる。それがあるからこそガチな仕事の場でスムーズにやり取りできるほか、こうした「ゆるい打ち合わせ」もできているのかもしれない。

「古い」「オワコン」「ダサい」などいろいろな意見はあることだろう。だが、現にフリーランスになってから18年間、「仕事相手と酒を飲む」というスタイルを続けた結果、1日として仕事が途切れることなく続いているのは事実である。

この事実から推測できるのは、日本には「一緒に仕事をしたい相手には酒のオファーをする」という慣習が存在するのでは?ということだ。それを「アルハラ」「時間の無駄」などと言うことは簡単なのだが、家族団らんもあるであろう夜の何時間かをわざわざ使っていただけるということは、ある程度の好意と信頼感を示していただけたのでは、と思っている。

飲みの日程は「即断即決」がいい理由

そしてここ数年の特徴としては、自分からはあまり誘わないが、相手から誘ってもらえる、ということである。「近々どうですか?」「8月後半にどうですか?」といったふわっとしたお誘いをいただくが、「8月後半」の場合、私は以下のように返す。

「こんにちは。オレは19、20、22、24、26、28、29が大丈夫です!」

こうして日程を示してしまうことにより、単なる口約束ではなく、本気であなたと過ごしたいのです、という意思を伝えることができる。「今度会おうね~」「そうだね~」みたいなやり取りは無駄である。本気で飲む気がないのであれば、こんなテキトーなやり取りはしないほうがいい。人間はいつ死ぬかわからないのだから。

筆者も過去に一緒に飲みたかったと思っていた人間が、突然事故で亡くなってしまったことがあった。そのとき、「今度飲もうね~」というゆるい約束をしてしまったら、後悔はかなり大きいだろう。

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