「ありがとう」と言える上司が得する科学的根拠

職場で「権威を振りかざす人」は出世できない

いくら仕事ができても、「礼儀」を欠くリーダーでは成功できません(写真:xiangtao/PIXTA)
なぜ本当にできる人は、不機嫌にならないのか? 「職場の無礼さ」の研究に20年を捧げた著者の集大成となる『Think CIVILITY(シンク シビリティ)「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』が発売1カ月で5万部を突破した。
「職場の上司に読ませたい」などの声が集まる本書では、今求められるリーダー像が記されている。会社で自分の地位を上げたいと思ったら、まず仕事で成果を上げることが必要だ。しかし、実際はそれだけではないということが研究でわかってきているそうだ。いったいどういうことか、本書を一部抜粋のうえ、再編集してお届けする。

少し無礼なくらいの方が出世できる?

あなたの職場の同僚や上司を想像してみてほしい。

同僚は廊下であなたに会えばほほ笑みかけ、あいさつをしてくれるか。上司は、部下に仕事を「どうかお願いします」と頼み、完了してくれたときには「ありがとう」とお礼を言ってくれるか。

『Think CIVILITY(シンク シビリティ)「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』は発売1カ月で5万部のベストセラーになっている(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

皆の上に立つリーダーは、ただ下の者に命令するだけではなく、会話をしたほうがより礼節ある態度といえる。そして、よい仕事をした部下は、時間を取って称賛することが重要だ。

しかし、職場というところでは、こうした礼節ある言動が非常に珍しいものになってしまうことがある。

私がこれまでに会った経営者や管理職のほとんどは、礼節が大切だとする私の意見には明確に懐疑的な姿勢を示した。

もし自分が一歩踏み出して、部下を丁重に扱ったら、自分の権威をもはや尊重しなくなるのではないかと恐れたのだ。彼らはとにかく厳しく、粗雑な態度、傲慢な態度を取り、自分を遠い存在に感じさせるべきだと信じていた。少し無礼なくらいのほうがビジネスの世界では出世できると考えていたのだ。

私の実施したアンケート調査では、回答者の40パーセント近くが、仕事の場で下の人間に優しく接したら、それに付け込まれるのではと恐れていた。そして、半数近くが、自分を誇示するのが言うことをきかせる最良の方法だと考えているとわかった。

しかし、この考えは現代には当てはまらないらしい。

次ページ礼節ある人が得られる3つのメリット
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT