就活生データを商品化、「リクナビ問題」の本質 「AI選考」「録画面接」流行に学生は警戒感

✎ 1〜 ✎ 560 ✎ 561 ✎ 562 ✎ 最新
拡大
縮小

その数は7983人に上り、不同意の就活生が存在したことと「学生の皆さまの心情に対する配慮不足こそが、根本的な課題であると強く認識した」(リクルートキャリア)ことを理由に、サービス廃止を決断した。

ただ、違法かどうかの前に、就活生らが不信感を募らせているのは、「知らぬ間に、閲覧履歴などに基づいた情報が会社側に伝わっている」点だ。

プライバシーポリシーをどこまで承知しているか

リクナビは、登録時やエントリー時などに、プライバシーポリシーの同意が求められる。リクナビのプライバシーポリシーの中身を見ると、「行動履歴等の利用について」という項目があり、次のように記載している。

「ユーザーがログインして本サービスを利用した場合には、個人を特定したうえで、ユーザーが本サービスに登録した個人情報、およびcookieを使用して本サービスまたは当社と提携するサイトから取得した行動履歴等を分析・集計し、以下の目的で利用することがあります」

そして、その目的の1つに、「採用活動補助のための利用企業等への情報提供(選考に利用されることはありません)」と記述している。

就活生は、このプライバシーポリシーに同意して、リクナビのサービスを使ったり、企業へのエントリーなどを行っている。

しかし、この同意を、学生がどこまで承知しているかどうかはわからない。そもそも、プライバシーポリシーの文章量は膨大で、この内容を一言一句、確認する学生はほとんどいないと思われるからだ。

仮に適法だったとしても、行動履歴が利用企業に提供されることを、もっとわかりやすい形で明示する必要があっただろう。

次ページ理論的には企業はどんな情報も閲覧できる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT